ガザで援助トラックが横転し20人死亡、ハマス運営の民間防衛隊が発表

ガザのケレム・シャローム検問所で待機する白いトラック。遠くにはさらに多くのトラックが見える。前景は乾燥した大地と灰色と茶色の砂が混在している

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画像説明, イスラエルは7月、ガザに援助物資を運ぶトラックの移動を認めた

パレスチナ・ガザ地区のイスラム組織ハマスが運営する民間防衛隊は、ガザ中部で4台のトラックが群衆に突っ込み横転し、これまでに20人が死亡、30人以上が負傷したと発表した。

この出来事は5日の夕方、デイル・アル・バラフの道路で発生した。現場に居合わせた地元のジャーナリストがBBCに語ったところによると、群衆がトラックに殺到し、車両の上に登ったことで運転手が制御を失ったという。

民間防衛隊のマフムード・バサル報道官は、この地域はイスラエル軍の管理下にあり、道路は荒れていて危険な状態だったと述べた。

現在ガザで活動している民間輸送業者団体によると、5日には商業用トラック26台がガザに入った。うち6台が略奪され、4台が横転して死傷者が出たという。

イスラエルは、国連への依存を減らし、ガザ地区への「支援物資の量」を増やすため、民間部門を通じた物資の段階的な搬入を開始すると発表した。

承認された物資には、ベビーフード、果物、野菜、衛生用品、基本的な食料品などが含まれている。

BBCはイスラエル国防省にコメントを求めている。

ハマスの報道担当は、一般市民が道路を通じた基本物資の搬入を数週間待ち続けているとし、「その結果、トラックに群がる群衆が絶望的な状況を引き起こすことが多い」と述べた。

支援物資を運ぶトラックはたびたび急襲され、現場では混乱が生じている。

これとは別に、ヨルダン政府は6日、イスラエルの入植者がガザ向けの支援物資を積んだ30台のトラックの車列を攻撃したと発表。イスラエルがこうした攻撃を防げなかったと非難した。

この車列はヨルダン国境を越え、ガザのジキム検問所に向かっていたが、入植者らが道路を封鎖し、トラックに石を投げてフロントガラスを破壊したという。

ヨルダン政府のモハンマド・アル・モマニ報道官は「こうした行為にはイスラエルによる真摯(しんし)な対応が必要であり、車列を妨害する者に対して寛容であってはならない」と述べた。

同報道官によると、今回の攻撃は、3日に発生した同様の事件に続く2度目の攻撃だという。

耕作可能な農地、全体の1.5%に

国連食糧農業機関(FAO)は6日、最新の人工衛星調査の結果を発表した。それによると、ガザ地区でアクセス可能かつ損傷を受けていない農地の面積は、1平方マイル(約2.6平方キロ)未満にまで減少しているという。

これは、耕作可能な全体面積のわずか1.5%で、5月末に発表された前回の調査で示された4.6%から大きく減少している。

FAOの屈冬玉事務局長は声明で、「ガザは今や本格的な飢饉(ききん)の瀬戸際にある」と述べた。

ハマスが運営するガザ地区の保健省によると、戦争開始以降、飢餓や栄養不良により死亡した人の数は193人に上り、そのうち96人は子どもだという。

100を超える国際支援団体や人権団体は、ガザで大規模な飢餓が発生する恐れがあると警告しており、イスラエルが重要な支援物資の配布を妨げていると非難している。

一方、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、ガザで飢餓が発生しているとの指摘を否定し、自国が支援を妨害している事実はないと主張している。

イスラエル軍は先週、国際的な圧力の高まりを受け、支援物資の車列をガザに通すための人道回廊を開設すると発表した。また、3カ所で「人道目的の局地的・戦術的な軍事活動の一時停止」を実施するとし、外国による空中支援投下も認めた。

動画説明, BBC国際編集長、ガザに物資投下のヨルダン軍機に同乗

ガザの人口約210万人のうち、約90%が避難を余儀なくされている。その多くが繰り返し移動を強いられ、過密かつ劣悪な環境で生活している。

国連は、人道支援物資の完全かつ継続的な搬入を繰り返し求めているが、依然として搬入は断続的だ。また、多くの支援トラックが略奪されている。

イスラエルは、支援物資の搬入に対する制限は存在しないと強調しており、「意図的な飢餓という偽の主張」を繰り返し否定している。

イスラエルは、2023年10月7日にハマスがイスラエル南部を襲撃し、約1200人が殺害され、251人がガザに連れ去られたことへの報復として、ガザでの軍事作戦を開始した。

それ以降、イスラエル軍によって殺害されたパレスチナ人の数は少なくとも6万1020人に上ると、ハマスが運営する保健省は発表している。