ウクライナ和平交渉、突破口開くには「トランプ氏とプーチン氏の直接協議」必要と米長官

画像提供, Reuters
トルコ・イスタンブールでのウクライナとロシアの和平交渉が16日まで延期される中、アメリカのマルコ・ルビオ国務長官は15日、和平交渉に大きく期待はしていないとし、交渉の進展にはドナルド・トランプ米大統領とロシアのウラジーミル・プーチン大統領の直接協議が必要だと述べた。
ルビオ米国務長官は、「トランプ大統領とプーチン大統領がこの件について直接やりとりするまで、(和平交渉で)突破口が開けるとは思わない」と、トルコ南部アンタルヤでの北大西洋条約機構(NATO)外相会合後に語った。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、イスタンブールでのロシアとの直接交渉に代表団を派遣する方針だと認めつつ、ロシアは交渉に真剣ではないと非難した。
トルコの首都アンカラで記者団に応じたゼレンスキー氏は、ロシアが「低いレベル」の代表団を派遣したことを批判した。他方、ロシア代表団を率いるウラジーミル・メディンスキー大統領補佐官は、自国の代表団は「必要な能力をすべて」備えていると主張した。
トランプ氏、「自分がいないからプーチンは来ない」
中東歴訪中のトランプ氏もこの日、自分とプーチン氏が直接協議するまでは和平交渉が大きく進展する可能性は低いと述べていた。
米大統領専用機エアフォース・ワンの機内で、ロシア代表団の顔ぶれに失望したかどうかBBC記者が質問すると、トランプ氏は、「いいか、プーチンと私が会うまでは何も起こらない」と答えた。
「私がいないから彼(プーチン)は来なかった。あなたたちがどう思うかにかかわらず、彼と私が会うまでは何も起こらないと思う」とトランプ氏は続け、「しかし、あまりに多くの人が死んでいるので、解決しなくてはならない」と述べた。
トランプ氏は、「適切ならば」トルコで16日に予定される交渉に出席するつもりだといったんは答えたものの、その後には、自分はおそらくワシントンに戻ると述べた。
トルコ、アメリカ、ウクライナ、ロシアの代表団は、15日にイスタンブールで、2022年以来となるウクライナとロシアの直接交渉に臨む予定だったが、実現しなかった。翌16日に交渉が行われる可能性があると、一部で報じられている。
ロシア代表団にプーチン氏の名前なく
プーチン氏は11日、西側諸国が30日間の停戦を求めたことを受け、15日にトルコ・スタンブールで「前提条件なしに」ロシアとウクライナが直接交渉をすることを提案した。
これに対し、ゼレンスキー氏は、プーチン氏と自ら会談する用意があるとソーシャルメディア「X」に投稿。プーチン氏にも同じ行動を求めた。しかし、クレムリン(ロシア大統領府)は15日、ロシア代表団にプーチン氏は含まれないと明らかにした。
トルコ・アンカラでレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領との2国間会談を終えたゼレンスキー氏は、ロシア代表団に高官クラスが含まれていないとし、これはトランプ氏とエルドアン氏に対して「無礼」なことだとロシア政府を非難。プーチン氏に対し、自分との直接対談を改めて求めた。
「会談をせず、議題も取り上げず、高官級の代表団もいない。エルドアン氏とトランプ氏に対して無礼だ」と、ゼレンスキー氏は述べた。
こうした中、ロシア代表団の団長メディンスキー大統領補佐官は、イスタンブールで記者団に対し、ロシアは今回の直接交渉を、2022年2月のウクライナ全面侵攻開始直後に行われ、失敗に終わった交渉の「続き」と捉えていると述べた。
「ウクライナとの直接交渉における課題は、紛争の根本原因を取り除き、遅かれ早かれ、長期的な平和の確立に到達することだ」
プーチン氏とゼレンスキー氏は、2019年12月を最後に顔を合わせていない。ロシアとウクライナの代表団による直接交渉は、全面侵攻開始直後の2022年3月にイスタンブールで行われたのが最後。

画像提供, EPA
ロシア代表団には、2022年当時の交渉に参加した人物が複数含まれる。ロシアは2022年の交渉の続きから始めたい意向を示している。
今回の交渉では、ウクライナの中立化や軍事規模の縮小、NATO加盟という野心を捨てることなどを要求するものとみられるが、ウクライナは降伏に等しい条件だとして繰り返し拒否している。
ウクライナでの戦闘は激化している。ロシア軍は15日、ウクライナ東部ドネツク州でさらに二つの村を占領したと発表した。
ロシアは現在、2014年に一方的に併合した南部クリミア半島を含む、ウクライナ領土の約20%を占領している。
イギリスのジョン・ヒーリー国防相は、ウクライナの同盟国に「プーチン氏に圧力をかける」よう呼びかけた。15日にドイツ・ベルリンでボリス・ピストリウス国防相と会談した後、ヒーリー氏は「プーチン氏を交渉のテーブルに着かせるため」に追加の対ロシア制裁が必要だと訴えた。











