英ロイヤル・オペラで出演者がパレスチナ旗を掲げる カーテンコールで

動画説明, 英ロイヤル・オペラのカーテンコールで出演者がパレスチナの旗掲げる

ロンドン中心部のロイヤル・オペラ・ハウスで19日夜、カーテンコールの最中に出演者の一人がパレスチナの旗を手にしたため、舞台上でスタッフともみあう事態になったした。ジュゼッペ・ヴェルディ作曲の四幕オペラ「イル・トロヴァトーレ」の千秋楽での出来事だった。

観客が撮影した映像には、舞台袖から出てきたスタッフが旗を取り上げようとするものの、出演者がそれを拒み、旗を放そうとしない様子が映っている。

この行為について、ロイヤル・バレエ&オペラは「カーテンコールとして完全に不適切な行為だった」と非難した。広報担当は「旗を示したのは、この出演者による自発的かつ無許可の行動だった」、「ロイヤル・バレエ&オペラが認めたことではなく、我々の政治的中立性の方針に反する」と述べた。

パレスチナの旗を掲げる行動は、イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘が続く中、パレスチナ・ガザ地区の人々への連帯を示す抗議の場でよく見られる。

舞台の袖の近くで、バイキングの角付きヘルメットをかぶり迷彩模様の衣装を着た出演者が、赤、黒、白、緑の、大きいパレスチナの旗を手にしている

画像提供, Magdalini Liousa

画像説明, 出演者はオペラ終幕後のカーテンコールで、舞台上でパレスチナの旗を手にしていた

ロイヤル・オペラ・ハウスでのこの事態を撮影した複数の観客の動画では、舞台に設置された階段の上、舞台下手の袖近くに立つ出演者が、大きいパレスチナの旗を両手で持つ様子が見える。

出演者は旗を無言で胸の前に広げ、時折穏やかに揺らしていた。観客の拍手が続く中、舞台袖から男性が旗を奪おうとするが、出演者は抵抗し、カーテンコールの間中、旗を持ち続けた。

舞台上では、旗を掲げた出演者の隣にいた共演者2人が、小競り合いに反応して体を傾ける様子も見られた。

前方にいた他の出演者の中には、背後で起きている出来事に気づいていない様子の人たちもいた。

舞台袖にいた他のスタッフは、旗を掲げた出演者に向かって何かを叫んでいたが、出演者は前方を見据え、無視しているようだった。

BBCの取材に応じた観客の一部は、抗議中にブーイングがあったと話した。「観客の多くは支持していたように見えた」と話す観客もいたが、それが公演そのものへの拍手だったのか、抗議への支持だったのかは不明だという。

ロンドン在住のマグダリニ・リオウサ氏は「とても力強い瞬間だった」と語り、出演者を「勇敢だ」と称賛した。

一方、イングランド北部グロソップ在住のクリストファー氏は「素晴らしい公演の最後に雰囲気を台なしにされた」と述べ、公演に「感謝したかっただけなのに」、一人の抗議行動がこの夜のすべてになってしまったと話した。

匿名を希望した別の観客は、舞台裏の男性は2回にわたり旗を奪おうとしたと説明。観客がスマートフォンを取り出して撮影を始めたのは2回目の「綱引き」からだったと話した。

旗を掲げた出演者の身元は明らかになっていない。「イル・トロヴァトーレ」はこの日、ロイヤル・オペラ・ハウスで全11公演の上演を終えたばかりだった。