ガザで死亡した人質の遺体、赤十字がさらに1体収容 イスラエル発表

パトカーの先導で夜道を進む車列の横で、男性警官2人が敬礼している

画像提供, Reuters

画像説明, テルアヴィヴの法医学研究所へ運ばれる遺体を載せた車に敬礼する警官たち

イスラエル国防軍(IDF)は現地時間18日未明、パレスチナ・ガザ地区で死亡したイスラエル人の人質の遺体が赤十字に託された後、IDFに引き渡され、イスラエル国内に帰還したと発表した。

IDFはソーシャルメディア「X」への投稿で、遺体は国立法医学研究所に運ばれて身元確認が行われるとして、公式な身元確認結果はまずは遺族に伝えるため、国民には慎重に行動するよう呼びかけた。

首相官邸も同様に、「うわさや非公式な情報の拡散は控えてほしい」と声明を出した。

イスラム組織ハマスは13日以降、ガザで死亡した人質28人のうち9人の遺体を返還している。今回の遺体が法医学検査で人質のものと確認されれば、10人目となる。

赤十字国際委員会(ICRC)は18日夜に声明で、同委員会のチームが「遺体を尊厳をもって扱うために可能な限りの措置を講じた」と述べ、今後はテルアヴィヴでイスラエルの法医学当局が身元確認を行うとした。

イスラエルでは、ハマスが停戦合意に沿って全員の遺体を返還していないことに対する怒りが広がっている。ただしアメリカは、これが合意違反に当たるとの主張に対して、それにはあたらないとの慎重な姿勢を示している。

IDFは18日夜、「ハマスは合意を順守し、すべての人質を返還するために必要な措置を講じるべきだ」と改めて強調した。

対するハマスは、自分たちは停戦合意を順守するつもりだとして、「残るすべての遺体も積極的に引き渡すつもり」だとしている。

ハマスは、むしろイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相が重機や掘削機のガザ搬入を認めないことが、遺体の捜索を妨げていると非難している。さらにハマスは、イスラエルの空爆によって多くの建物ががれきと化したせいで、遺体の発見が困難になっていると主張している。

ネタニヤフ首相は16日、ハマスが2023年10月7日に主導したイスラエル南部攻撃の犠牲者を追悼する式典で、死亡した人質全員の帰還を「何としても」確保すると強い決意を表明し、イスラエルは「全力」でテロと戦い続けると強調した。

アメリカが仲介した停戦合意の一環として、イスラエルはイスラエルの刑務所に収監されていたパレスチナ人250人と、ガザで拘束された1718人を釈放した。

ハマスが全員の遺体を収容できていないと明らかにした後、ドナルド・トランプ米大統領の補佐官2人は、停戦合意の次の段階への移行準備は続いていると述べた。

補佐官たちは記者団に対し、アメリカ政府は現時点ではハマスが合意を破ったとは考えておらず、ハマスは仲介者に情報を共有するなど誠実に対応していると述べた。

イスラエルとハマスの間の合意文書の全文は公表されていないが、イスラエルのメディアに流出した文書には、すべての遺体が即座に収容可能とは限らない可能性が示されていた。

イスラエル軍は2023年10月、ハマスが主導した攻撃に対する報復としてガザで軍事作戦を開始した。ハマス主導の攻撃では、イスラエル南部で約1200人が殺害され、251人が人質にされた。

それ以降、イスラエルによる攻撃でガザでは少なくとも6万7967人が殺害されている。ハマスが運営するガザ保健省によるこの統計を、国連は信用できる情報と位置付けている。