ルーヴル美術館、欧州圏以外からの来場者の入場料を45%値上げへ 改修資金に

ルーヴル美術館の入り口になっているガラスのピラミッドの前に、大勢の人が並んでいる

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オズモンド・チア・ビジネス記者

パリのルーヴル美術館は来年から、欧州経済領域(EEA)外からの訪問者の入場料を45%値上げする。同美術館の理事会が27日、決定した。

アメリカやイギリス、中国などからの観光客は来年1月14日以降、入館料として32ユーロ(約5800円)を支払う必要がある。これは、EEAからの訪問者の入場料より10ユーロ(約1800円)多い。EEAには欧州連合(EU)加盟国のほか、アイスランド、ノルウェー、リヒテンシュタインが含まれる。

ルーヴル美術館はこの値上げを通じて、改修資金として年間数百万ユーロを調達するとしている。

世界の美術館の中で最も訪問者数の多いルーヴル美術館の警備と管理は、10月に発生した大胆な強盗事件以来、批判にさらされている。この事件では、4人組の犯行グループが総額8800万ユーロ(約160億円)相当の宝飾品を盗み、数分以内に逃走した。

事件直後に公表された美術館の公式監査報告書では、同施設の不十分な警備システムと老朽化したインフラが浮き彫りになっている。

大型改修計画の一環

ルーヴル美術館は昨年、約900万人の来館者を受け入れたが、その大半は国外からだった。同美術館によると、来館者の1割以上がアメリカからで、中国からは約6%を占めている。

混雑した展示室や長い行列に関する不満を背景に、美術館側の人の流れに対応する能力を改善すべきだという声は長年続いている。

計画では、「モナリザ」を新しい展示スペースに移動させ、観覧に別途料金を課すことも明らかになっている。

ルーヴル美術館の混雑したギャラリーで、大勢の来場者が「モナ・リザ」を鑑賞したり写真を撮ったりしている様子。ギャラリーの壁は濃紺で、「モナリザ」の前には保護ガラスが置かれている。壁にはほかの絵画も展示されている

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ルーヴル美術館の1日あたり3万人の訪問者の大半が、このレオナルド・ダ・ヴィンチの傑作を見ようと集まる。訪問者は、同作品がある展示室サル・デ・ゼタを押し合いながら通り抜けるが、絵を鑑賞したり写真を撮ったりする時間は、平均して50秒しかないという。

計画ではまた、ルーヴルは今後数年間でインフラを近代化し、新しいトイレやレストラン、休憩施設を設置するための大規模な改修工事を行う。これらの総費用は数億ユーロに上る見込み。

同美術館は今月初め、構造上の懸念から、ギリシャの陶器を展示するギャラリーの閉鎖を発表した。

10月の強盗事件後の調査では、美術館が新しい美術品の購入には大幅に費用をかけていた一方で、維持管理や修復にはほとんど支出していなかったことが判明した。