プーチン大統領、金総書記と中国で会談 ウクライナでの戦争参加に感謝

金氏とプーチン氏が並んで階段を下りている

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ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記は3日、訪問中の中国・北京で会談した。プーチン氏は、ウクライナでロシア側に立って戦った北朝鮮部隊の勇気への感謝を伝えた。

両首脳はこの日、中国の戦勝80年記念式典に参加した。会談は、両首脳が滞在している釣魚台迎賓館で行われた。ロシア国営メディア「タス通信」によると、会談は2時間半におよんだ。

会談の冒頭、プーチン大統領は金総書記に対し、両国の関係は友好的だと述べ、北朝鮮軍がロシア西部クルスク州の「解放」に貢献したと語った。

これに対し金氏は、ロシアを可能な限り支援することは「兄弟的義務」だと述べた。

2022年2月からロシアの全面進攻を受けているウクライナは、昨年8月にクルスク州を急襲し、一部の領土を掌握した。ロシアはその後、同州を完全に奪還したと主張している。

ウクライナ政府は当時、占領したロシア領を持ち続けるつもりはなく、将来の和平交渉のための交渉材料として利用するだけだと明言していた。また、昨年11月ごろから、クルスク州で北朝鮮兵と衝突したことを明らかにしていた。

ロシアと北朝鮮は4月、ウクライナとの紛争に北朝鮮が関与していることを初めて認めた。

韓国政府によると、北朝鮮はロシアのために約1万5000人の兵士を派遣し、ミサイルや長距離兵器も供与したという。その見返りとして、北朝鮮は食料、資金、技術支援を受け取ったという。

実戦経験のなかった北朝鮮兵は、ロシア到着後の数週間で訓練を受け、その後、支援任務についたとみられている。

赤いじゅうたんの敷かれた広間で、横並びに居座る金氏とプーチン氏。それぞれの後ろには通訳が座っている。背後には松の描かれた水墨画がかけられている

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画像説明, ロシアのプーチン大統領(前列右)と北朝鮮の金総書記(同左)が中国で首脳会談を行った(3日)

プーチン氏はこの日の会談で、「あなたの兵士たちは勇敢に、英雄的に戦った」と金氏に語り、「我々は、あなたの軍隊と軍人たちの家族が受けた犠牲を決して忘れないと、ここで明言する」と述べた。

また、北朝鮮兵の参加は「ネオナチズムとの戦い」の一環だったと述べた。

これに対し金氏は、プーチン氏が北朝鮮の軍隊を認めたことに感謝の意を表明した。そのうえで、ウクライナにおけるロシアとの「共闘」に言及し、両国関係は 「あらゆる分野で前進している 」と述べた。

金氏はまた、2024年6月に締結された、どちらかの国が「侵攻」された場合は相互に助け合うとする条約によって、両国の協力関係が強化されたと述べた。

両国は昨年、相互防衛条項が盛り込まれた画期的な協定を締結した。金氏は当時、「これまでで最も強力なものだ」と称賛していた。

会談後は、プーチン氏が金氏を専用車まで見送り、金氏をロシアに招待したと、タス通信は伝えた。

ロシア国営RIA通信の報道によると、金氏はプーチン氏の健康と成功を祈る言葉を述べた上で、近く新たな会談が行われるだろうと述べたという。

アメリカへの明確なメッセージ

屋外で、左からプーチン大統領と習主席、金総書記が、横並びで立っている

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プーチン氏と金氏の訪中は、今回の式典のハイライトとなった。

式典の主催者である習近平国家主席は先週末、天津で行われた上海協力機構(SCO)首脳会議に出席したプーチン氏を迎え入れた。一方、金氏も2019年以来の訪中をした。

式典の前の集合写真では、最前列中央の習氏の両隣に、プーチン氏と金氏が立った。また、会場となった天安門に向かう際にも、3首脳が先頭に立って並んで歩いた。

金氏が世界の指導者が集まる国際的な会合に出席するのは初めてのことだ。同氏が北朝鮮を離れることはめったにない。

こうしたことから、一連の会合は、3人が今や緊密に連携しているという明確なメッセージを、西側諸国、特にアメリカのドナルド・トランプ大統領に送るものとなったとされている。

トランプ氏は、ウクライナでの戦争の終わらせようとプーチン氏に合意を働きかけているが、成果が見られていない。直近では、8月に米アラスカ州でプーチン氏と会談したが、ロシアはその後もウクライナへの攻撃を続けている

また、トランプ氏は最近、金氏と再会したいとも発言している。トランプ氏は第1次政権の2019年、北朝鮮と韓国を隔てる非武装地帯(DMZ)で金氏と面会するなど、関係確立を強調していた。しかし、トランプ大統領が今年1月にホワイトハウスに復帰して以降、北朝鮮側からトランプ氏に関する発言は一切確認されていない。

トランプ氏はこの日、自身のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」に式典に関する投稿を行い、習氏がロシアおよび北朝鮮の指導者らと、アメリカに対して共謀していると非難した。

これに対し、クレムリン(ロシア大統領府)のユーリ・ウシャコフ報道官は、アメリカに対する陰謀の可能性を否定。トランプ氏の発言は「皮肉だ」と述べた。

タス通信によると、ウシャコフ報道官は、プーチン氏、習氏、金氏の3人は「アメリカに対する陰謀など考えてもいない」と語り、3首脳が「現在の国際情勢における」アメリカの役割を理解しているとも述べた。