イスラエル軍、ガザ南部で地上作戦を開始 住民に避難求める

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イスラエル軍は3日、パレスチナ自治区ガザ地区の南部で地上作戦を開始した。ガザでは3日間にわたり、イスラエル軍の激しい砲撃が続いていた。
イスラエル軍ラジオの報告は、ガザ南部ハンユニスの北方で地上作戦を開始したことを事実上認めた。
BBCも、イスラエル軍の戦車がハンユニス近郊に展開している画像を確認した。
イスラエル軍トップのヘルジ・ハレヴィ中将は、ガザ師団の予備役に対し、軍事行動の目標と、イスラム組織ハマスの司令官らの殺害について説明。「私たちはガザ地区北部で強力かつ徹底的に戦った。そして今、ガザ南部でも同じことをしている」と話した。
イスラエル軍の報道官もその後、ガザ全域で「地上侵攻の拡大を続けている」と認め、「テロリストたちに面と向かって戦っている」部隊もいると述べた。
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イスラエルとハマスが合意した戦闘休止は1週間続いたが、今月1日にイスラエルがガザへの大規模な空爆を再開した。ハンユニスの住民らは、これまでで最も激しい攻撃が続いていると話している。
戦闘休止中、ハマスはガザで拘束していた人質110人を解放。イスラエルは見返りに、刑務所からパレスチナ人240人を釈放した。
ハンユニスで退避命令
イスラエル軍は3日朝、ハンユニスのいくつかの地区を対象に避難命令を出した。住民らに直ちに退避するよう求めている。
ハンユニスには、今回の戦闘の初期に北部から逃れてきた数十万人が避難している。イスラエル当局は、同市にハマス幹部が隠れているとみている。
国連児童基金(ユニセフ)のジェームス・エルダー氏は、イスラエル軍が攻撃の焦点をガザ南部に移したことで、ハンユニスのナセル病院は見たことのない「パニックのレベル」に達しているとBBCに説明。
近くで絶え間なく大きな爆発音が聞こえ、子どもたちが頭部のけがや、ひどいやけど、爆弾の破片による負傷などで運ばれているとし、病院は「戦場」と化しているとした。
イスラエルの首相側近は、民間人の殺害を避けるため、同国は「最大限の努力」をしていると述べた。
ハマスが運営するガザ保健当局は、戦闘が再開されてからガザ地区で500人以上が殺害されたとしている。戦闘の開始からだと1万5500人以上が殺されているとしている。
一方のイスラエルは、10月7日のハマスの襲撃で約1200人が殺害され、240人が人質に取られたとしている。イスラエルはこの攻撃を受けて、ガザへの報復爆撃を開始した。

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ガザ地区に滞在しているパレスチナ系イギリス人のモハメド・ガライニ氏は、ハンユニスの状況について「壊滅的を超えている」と、BBCに電話で話した。
「ここの人たちは50日以上、イスラエルの残忍な猛攻撃に耐えてきた。食料、水、電力、衛生設備、ごみ処理サービスなど、あらゆるものがとても不足している」
同氏は通常は英マンチェスターで暮らす大気汚染の専門家で、10月7日の攻撃の少し前に、母親に会うために3カ月の予定でガザに入っていた。
1日の戦闘再開以降、ガザからイスラエルに向けてもロケット弾が定期的に発射されている。テルアヴィヴ近郊のホロン市では2日、男性(22)が破片による軽傷で手当てを受けた。

国連の最新の発表では、ガザ地区内で約180万人が避難民となっている。
国連の人権問題担当トップのフィリッポ・グランディ難民高等弁務官は、ガザ地区のパレスチナ人は「それでなくとも非常に狭い地区の一角に、ますます追い込まれている」とBBCに話した。
イスラエル軍は、攻撃予定地域の地図をオンラインで公表し始めた。これまでの電話や、飛行機から投下するビラと同様、住民に避難を警告するものだとしている。
イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相の上級顧問マーク・レゲフ氏は3日、民間人は標的にしていないと、BBCの番組で主張した。ハマスが民間人の居住区に「軍事テロマシンを埋め込んでいる」ため、民間人を守ることがより困難になっていると話した。
また、イスラエルは攻撃をできるだけ精密なものにしようとしているとし、事前に攻撃を警告しているとも述べた。
これとは別に、イスラエル軍はこれまでにガザでハマスの「テロ・トンネル」800本を発見し、うち500本を破壊したと発表した。
また、戦闘開始以来、地上のイスラエル兵からの情報をもとに、「テロの標的」に対する空爆を約1万回実施したとした。








