イスラエル、ガザ南部へ激しい攻撃 停戦交渉は中断と関係者

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イスラエル軍は2日、パレスチナ自治区ガザ地区南部ハンユニスへ激しい爆撃を続けた。住民は、今回の戦争が始まって以来、最大規模だったと話している。パレスチナ当局関係者によると、停戦復活を目指す交渉は2日に中断し、再開の見通しが立っていない。
イスラエル軍はハンユニスのほか、エジプト国境に近いラファ市も激しく攻撃した。
イスラエル軍は、ハンユニスの東部地区にいる人たちに向かって、ラファ市内のシェルターなどさらに南へ避難するよう通告した。軍はソーシャルメディアにアラビア語で、避難すべき地域を特定した地図を掲載している。ハンユニス東部への地上部隊による侵攻が間近に迫っているのではないかと、みられている。
イスラエルは、ガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスの幹部が複数、ハンユニス市内にいると見ている。
ハマスがイスラエル人約1200人を殺害した10月7日の攻撃を受け、イスラエル軍はガザ地区攻撃を開始。当初はガザ地区北部を徹底的に攻撃した。南部へ避難するよう通告された住民で、ハンユニスとその周辺はすでにあふれかえっている。
イスラエル軍は一時的な停戦を経て、12月1日にガザ地区への攻撃を再開。ハマスが運営するガザ地区の保健省によると、イスラエルによる最新の攻撃で少なくとも193人が死亡した。
保健省によると、10月7日以降の戦争でイスラエルに殺されたガザ地区の人数は1万5200人を超えた。
イスラエル軍によると、12月1日の1日だけでハマスの「テロ標的」を400カ所以上、攻撃したという。
戦闘再開を受けて、ガザ地区からイスラエルへのロケット砲攻撃も続いている。2日夜には、イスラエル中部のテルアヴィヴとその周辺への砲撃が相次いだ。イスラエルの救急当局は、テルアヴィヴ南郊のホロン市で22歳男性が「破片で頭部に軽傷」を負ったため、治療したと明らかにした。
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イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は2日夜に記者会見し、ハマス排除と人質全員の解放について「すべての目標を実現」するまで、軍事作戦を続けていくと強調した。
「厳しい戦争が今後続く」と、首相は認めた。
記者会見で首相はさらに、イスラエル人の女性や子供110人と一部の外国人が解放されたことをたたえ、「地獄からお帰りなさい」と述べた。
人質解放と交換に、イスラエル側は刑務所に収容していた女性や10代のパレスチナ人を240人釈放した。
ガザに人質として残る約140人のほとんどは、男性か軍関係者。
「恐ろしい夜」
物資不足が10月から続くハンユニスの病院は、新たな攻撃による負傷者であふれている。ナセル病院では、ベッドが足りず一部の患者は床の上で手当てを受けた。
子供4人の母親サミラさんはロイター通信に、「恐ろしい夜」だったと話した。
「ここハンユニスに着いて6週間になるけれども、特にひどい夜だった。ハンユニスに(イスラエル軍が)入ってくるのが、本当に恐ろしい」
2日にハンユニスにいた国連児童基金(ユニセフ)のジェイムズ・エルダー報道官は、イスラエルの攻撃が再開する前の時点で、すでに現地の病院は「飽和状態」だったとBBCに話した。
「文字通り、廊下には血が飛び散っている。殺された様子の赤ちゃんを抱いている母親が、またしても何人もいる」
パレスチナ赤新月社によると、援助物資を積んだトラック100台が2日の時点でエジプトからガザに入った。1日には、援助物資の搬入はなかったという。
交渉中断か
一時停戦の復活と人質解放をさらに確保するための交渉は、2日に決裂したと関係者は話す。
パレスチナ側の消息筋はBBCに対して、交渉は完全に停止しており、停戦を実現するための接触や働きかけは途絶えていると話した。
イスラエルは2日、これまで交渉を仲介してきたカタールでの「交渉が行き詰まった」ことを理由に、情報機関モサドから派遣している交渉担当者を、カタールから引きあげさせたと明らかにした。
ハマス政治部門の幹部サレハ・アル・アルーリ氏は、カタールの放送局アル・ジャジーラに対して、「今は交渉は行われていない」と述べ、戦いが終わり、パレスチナ人の囚人が釈放されない限り、イスラエルの人質解放は実現しないと述べた。
アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで開かれている国連気候変動会議(COP28)に出席している、アメリカのカマラ・ハリス副大統領は2日、エジプトのアブドル・ファタハ・アル・シシ大統領と会談。
「どのような状況だろうと、ガザ地区やヨルダン川西岸地区からパレスチナ人を強制移住させたり、ガザの境界の再設定を、アメリカは決して認めない」とハリス氏は述べたという。
副大統領はさらに、イスラエルには自衛権があるというアメリカの従来の姿勢を強調した。
ハリス氏はシシ大統領に対して、「勢いを取り戻したパレスチナ自治政府を先頭に、パレスチナ人が自分たちの国家を持つという、その明確な政治的地平の文脈」において、和平を追求するのでなければ、和平交渉は成功しないとも話した。









