プリゴジン氏の新しい動画がSNSに 死亡数日前に身の安全に言及か

画像提供, Telegram/ @grey_zone
ロシアの民間軍事会社「ワグネル」代表だったエフゲニー・プリゴジン氏を映した動画が8月末、新しくソーシャルメディアに浮上した。8月23日夜にロシア国内で起きた飛行機墜落事故で死亡したとされるプリゴジン氏が、その数日前にアフリカで撮影したものとみられる。動画内でプリゴジン氏は、自分の身の安全に言及している。
プリゴジン氏の新しい動画は、ソーシャルメディア「テレグラム」のワグネル系チャンネル「グレイ・ゾーン」に8月30日までに投稿された。30秒足らずの短い動画の中でプリゴジン氏は、「私が生きているかどうか話し合っている人たちへ、今は2023年8月の後半の週末だ。ここはアフリカ」と話している。
「なので、私を消そうとか、私の私生活についてとか、私の収入がいくらかとか、そんなこんなの話をするのが好きな人たちへ、万事順調だ」とプリゴジン氏は続けた。
「8月後半」の「週末」という言及から、動画は8月19日か20日に撮影された可能性がある。
移動する車両内で撮影されたこの動画でプリゴジン氏は、迷彩模様の帽子と服を身に着けている。「テレグラム」の同じ「グレイ・ゾーン」が8月21日に投稿した動画での服装とよく似ている。8月21日投稿の動画でも同氏は、アフリカにいると示唆していた。
BBCはどちらの動画についても、撮影時期や場所を確認できていない。
プリゴジン氏の広報チームによると、同氏は8月29日、故郷サンクトペテルブルクに埋葬された。
同月23日、プリゴジン氏をはじめ複数のワグネル関係者が搭乗していたとされる自家用機が、モスクワ近郊で墜落。ロシアの捜査当局は、回収した10人の遺体について遺伝子解析を行い、同氏の死亡を確認したと発表した。
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プリゴジン氏は墜落の2カ月前の6月23日、ロシア軍に対して反乱を起こし、ロシア南部のロストフ・ナ・ドヌへ進軍。首都モスクワへと前進を開始した。
しかし、ベラルーシの仲介を経たロシア政府との合意を受けて前進は中断された。プリゴジン氏に対する起訴は取り下げられ、プリゴジン氏とワグネルはベラルーシに移動した。
ただし、反乱の最中にロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、ワグネルの行動は「わが国民を後ろから刺す」「裏切り」だと非難していた。そのため、反乱直後のロシア政府の対応を疑問視する見方は多く、それだけに治安当局が墜落に関与しているとの憶測が飛び交った。
BBCがアメリカで提携するCBSはアメリカ政府筋の話として、墜落原因として最も可能性が高いのは機内での爆発だと報じた。米国防総省は、プリゴジン氏がおそらく殺されたと指摘した。
これに対してロシア政府は、クレムリン(大統領府)がプリゴジン氏の死に関与したかのような指摘は「まったくのうそ」だと反論している。
今回の動画を掲載したワグネル系チャンネル「グレイ・ゾーン」は8月23日夜の飛行機墜落について、ロシア軍に撃墜されたと主張したが、具体的な証拠は示していない。
プリゴジン氏はプーチン大統領と同郷で、1990年代からの旧知の間柄だった。やがてプーチン氏が大統領になると、プリゴジン氏の傘下企業は、大統領府向けに料理を提供するケータリングを受注。「プーチンのシェフ」と呼ばれるようになった。
2014年に「ワグネル」を創設。ワグネルは昨年2月からのウクライナ侵攻では、東部バフムートなど激戦地の戦闘に参加し、数々の残虐行為を重ねたとされる。ほかにもシリアや西アフリカで活動し、最近ではアフリカ各地での政情不安への関与が指摘されていた。
プリゴジン氏はウクライナでの戦争遂行ぶりに強い不満を抱き、今年5月にはセルゲイ・ショイグ国防相とヴァレリー・ゲラシモフ総司令官を激しく罵倒する動画を公表。6月には、ロシア政府が「ワグネル」を直接傘下に置く方針を示したことに強く反発した。6月23日から24日にかけての反乱では、プーチン氏への批判は避けたものの、国防相や総司令官に対する罵倒を続けていた。









