プリゴジン氏搭乗とされる墜落機、フライトレコーダーを現場で回収=ロシア捜査当局
ウィル・ヴァーノン(モスクワ)、ヤロスラフ・ルキフ(ロンドン)

画像提供, Reuters
ロシアの捜査当局は25日、民間軍事会社ワグネル代表のエフゲニー・プリゴジン氏らが搭乗していたとされる自家用機の墜落現場から、フライトレコーダーと10人の遺体を回収したと明らかにした。これに先立ち同日、クレムリン(ロシア大統領府)の報道官は、クレムリンがプリゴジン氏らの暗殺を命令したのだとの憶測は「完全なうそ」だと述べた。
インタファクス通信によると、ロシア連邦捜査委員会は「初期段階の捜査において、墜落現場で被害者10人の遺体を発見した。身元特定のためDNA鑑定を実施している」と発表した。機体からは「フライトレコーダー」を回収したという。
プリゴジン氏所有のプライベートジェット機「エンブレアル・レガシー600」は23日午後にモスクワを出発し、サンクトペテルブルクへ向かう途中で墜落したとされる。ロシア連邦航空局は同日夜、モスクワの北西約300キロのトヴェリ州クジェンキノ村近くで墜落したプライベートジェット機の乗客リストに、プリゴジン氏の名前があると発表した。
ロシア連邦航空局はその後、プリゴジン氏のほかにドミトリー・ウトキン氏も墜落機に搭乗していたと発表。そのほか、セルゲイ・プロパスティン氏、エフゲニー・マカリャン氏、アレクサンドル・トトミン氏、ヴァレリー・チェカロフ氏、ニコライ・マツセイェフ氏が乗っていたという。
ウトキン氏は、ワグネル共同創始者で司令官。チェカロフ氏はプリゴジン氏の親友で、アメリカ政府からプリゴジン氏と共に制裁されていた。その他の乗客4人もワグネル関係者やプリゴジン氏の警備担当者だという。
「西側の憶測はうそ」とペスコフ報道官

墜落原因については、機内の爆弾や外からの爆撃など、諸説が飛び交っている。
今年6月にロシア国防省に対して反乱を起こし、部隊の一部を首都モスクワへ向けて前進させたプリゴジン氏について、クレムリンが殺害を命じたのではないかとの憶測も相次いでいる。
米国防総省は、プリゴジン氏はおそらく殺害されたとの見方を示し、米政府筋はCBSニュースに対して、おそらく機内で起きた爆発が墜落の原因だろうと話した。
ジョー・バイデン米大統領は25日、アメリカ政府は墜落原因を正確に「特定」しようとしているのだと述べた。
こうした中でクレムリンのドミトリー・ペスコフ報道官は18日の定例電話会見で、BBCの質問に対し、23日の飛行機墜落で乗客乗員10人が「悲劇的」に死亡したことをめぐり、「たくさんの憶測」が出ていると答え、「もちろん西側ではこの憶測は、特定の角度からの見方を示している。どれも完全なうそだ」と述べた。
「今のところ、事実関係がまだあまりはっきりしていない。現在行われている公式の捜査によって、事実を解明する必要がある」と、報道官は続けた。
さらに、墜落機にワグネル代表のプリゴジン氏が乗っていたのは確かなのかと質問されても、報道官は回答しなかった。
ウラジーミル・プーチン大統領は、プリゴジン氏の所有機墜落について発表から24時間近く、公の場で言及しなかったが、24日夜になってテレビ演説で墜落犠牲者の遺族に追悼の意を伝え、1990年代に知り合ったプリゴジン氏が、「人生において深刻な過ちをいくつか犯した」「有能な人物」だったと述べた。ただし、死亡したのが確かにプリゴジン氏だった明言はしなかった。

代表や幹部が死亡したとされる中、ワグネルの今後は不透明となっている。
6月の反乱時に、プリゴジン氏や戦闘員をベラルーシに受け入れると仲介に入ったアレクサンドル・ルカシェンコ大統領は25日、今後も最大1万人のワグネル戦闘員がベラルーシ国内で駐留を続けると述べた。ただし、ルカシェンコ氏はクレムリンからの指示に従っていると、複数の専門家はみている。












