国連人権当局、エルモソ選手への支持を表明 スペインサッカー連盟会長のキスめぐり

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国連の人権当局は29日、スペインサッカー連盟(RFEF)のルイス・ルビアレス会長が女子ワールドカップ(W杯)で優勝した同国代表のジェニファー・エルモソ・フエンテス選手の唇にキスした問題にX(旧ツイッター)で言及し、同選手への支持を表明した。
国連の人権当局のアカウント「UN Human Rights」には、約400万人のフォロワーがいる。
投稿では、「スポーツ界の女性たちは、セクシャル・ハラスメントや性的虐待に直面し続けている。我々はスペインのジェニ・エルモソをはじめ、スポーツ界における虐待と性差別をなくすために活動しているすべての人々と共に行動する。これを転換点にしよう」と書いた。
また、国連のフォルカー・トゥルク人権高等弁務官のアカウントと、エルモソ選手の支持者が広く使っている「#SeAcabo(もう終わりだ)」のハッシュタグを併記した。

ルビアレス会長は20日に行われたW杯決勝後のトロフィー授与式で、エルモソ選手の唇にキスした。エルモソ選手はスペイン代表とバルセロナの歴代最多得点者。
エルモソ選手は、このキスは同意の下ではなかったと述べている。
国際サッカー連盟(FIFA)は26日、ルビアレス会長に対して90日間の暫定的な資格停止処分を発表。また、ルビアレス氏をはじめRFEFの代理人がエルモソ選手に連絡を取ることを禁止した。
RFEFはこの決定について争う構え。会長は続投する意向を示しており、RFEFは同日、キスに同意していなかったとするエルモソ選手の主張を「うそ」と呼び、法的措置を取ると表明した。
こうした中、ルビアレス氏の母親は28日、息子の扱いに抗議するとして、スペイン国内のキリスト教教会でハンガーストライキを開始した。一方この日には、首都マドリードの中心部でフェミニスト団体がエルモソ選手を支持する集会を開き、数百人が集まった。
法的手続きや刑事捜査も開始
この件をめぐっては、スペイン政府がルビアレス会長の辞任を求める法的手続きを開始している。
ミケル・イセタ・スポーツ相によると、スポーツ高等評議会は26日、ルビアレス会長を2件の「非常に深刻な」刑事疑惑について暫定的に停職処分とするよう、スポーツ裁判所に要請した。
スポーツ裁判所は28日、この要請について協議したが、決定はまだ発表されていない。
イセタ・スポーツ相は記者会見で、「政府は真剣に、そしてしっかりと前進している」と述べた。
「我々はこの件を早急に解決したいと思っているが、厳格に、そしてあらゆる法的な保証をもって、決定を取り消そうとする上訴を阻止するつもりだ」
「裁判所が政府の訴えを受理した際には、48時間以内にスポーツ高等評議会の理事会を招集し、裁判所の最終決定が出るまでルビアレス前会長の資格を停止することを提案する」
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検察当局も、ルビアレス会長の行為が性犯罪に当たるのかを判断する予備捜査を開始した。 エルモソ選手の主張の「明白な性質」について、「その法的な意味を判断する必要がある」と述べた。
また、「ジェニファー・エルモソの公式声明によると、ルイス・ルビアレスによる性的な行動は同意の下ではなかった」と指摘した。
その上で、性暴力やセクハラなどでの起訴には被害者による届け出が必要だとして、司法の専門家がエルモソ選手に連絡し、司法手続きを行う場合の説明を行うとしている。
臨時総会で即時辞任を要求
こうした中、スペインサッカー連盟(RFEF)に所属する各地のサッカー協会の幹部は28日、ペドロ・ロカ暫定会長との臨時総会を開き、ルビアレス会長の即時辞任と組織の再編成を求めた。
声明では、「最近の出来事と、スペインサッカーのイメージを著しく傷つけた容認できない行動を受け、地域の会長たちはルイス・ルビアレスにRFEFの会長を即刻辞任するよう要請する」とした。
しかし、幹部らの3分の1はルビアレス氏の解任を望んでおらず、同氏に辞任を求める声明を発表するにとどまっている。ルビアレス氏は辞任を拒んでいる。








