「ワグネル」プリゴジン氏、ベラルーシの基地に滞在か テレグラム映像
ローラ・ゴッジ、BBCヴェリファイ(検証チーム)、BBCニュース

画像提供, Telegram
ロシアの雇い兵組織「ワグネル」の創設者エフゲニー・プリゴジン氏がベラルーシにいることを示しているとみられる映像が19日、メッセージアプリ「テレグラム」のワグネル関連チャンネルに投稿された。
6月末にワグネルがロシアで反乱を起こして以来、プリゴジン氏の映像が出てきたのはこれが初めてとみられる。
映像の中でプリゴジン氏は、戦闘員らを歓迎するとともに、ウクライナでの前線の状況は「不名誉」だと語っている。また、ワグネルが後日、戦闘に再参加する可能性を示した。
ベラルーシはワグネル戦闘員がベラルーシ軍に軍事指導を行っているとしているが、この映像はそれを裏付けるもののようだ。
薄暗い映像の中でプリゴジン氏は、木々と倉庫やテントのようなものに囲まれたアスファルトの道に立っている。
BBCヴェリファイ(検証チーム)は、テントや木々、建物の配置などから、これが軍事基地の西の端だと確信している。
後方には迷彩服に身を包んだ人がたくさんおり、歓声も聞こえてくる。
薄暗いものの、プリゴジン氏の姿はそのシルエットから判別できる。また、同氏の過去の発言に詳しいロシア語話者らは、声と話しぶりが間違いなくプリゴジン氏のものだと指摘している。
映像の中でプリゴジン氏は、戦闘員らはウクライナで「立派に戦い」、ロシアのために「偉大なことをした」と述べた。一方で、現在の司令部を強く批判した。
「今現在、前線で起きていることは、我々が関わりたくない不名誉なものだ。我々の実力を十分に発揮できるまで待つ必要がある」
また、「ここベラルーシにしばらくとどまることが決まった」と述べ、その間にワグネルはベラルーシ軍を「世界第2位の軍」にすると語った。
プリゴジン氏はさらに、戦闘員は「準備を継続」し、「自分たちとその経験を恥じることを強いられないと確信した時」にウクライナの前線に戻る可能性があると示唆した。
プリゴジン氏は以前、ウクライナ東部バフムートでの交戦中にロシア国防省がワグネルへの弾丸供給を制限し、同組織の成功を阻んでいたと主張していた。この発言は、その時のことを指していると思われる。
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映像ではその後、プリゴジン氏がある男性を「司令官であり、我々にワグネルの名前を与えた人物だ」と紹介する。
この人物の名前は映像内に出て来ないが、これはドミトリー・ウトキン氏とみられる。めったに公の場に姿を現さないウトキン氏は、元ロシア軍人で、現在はワグネルの総司令官を務めている。「ワグネル」の名は、ウトキン氏のコールサインから付けられた。
BBCヴェリファイの分析では、ベラルーシの首都ミンスクから約100キロ離れた南部ツェリにある、使われていなかった軍事基地に、ワグネルの車両数十台が入ったことが分かっている。
6月末の反乱を収めるための合意では、ワグネル戦闘員はロシア軍に参加するか、ベラルーシに行くかを選べることができるとされた。
一方、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は先週、経済紙コメルサントのインタビューで、ワグネルを戦闘部隊として残すのかという質問に対し、民間の軍事組織には法的枠組みがないと強調。「ワグネルは存在しない」と語った。

<分析> スティーヴ・ローゼンバーグBBCロシア編集長
プリゴジン氏が再び姿を現した……ようだ。映像では確かに、プリゴジン氏がベラルーシで、ワグネルの戦闘員に向けて語っているように聞こえる。薄暗い映像に映ったシルエットも、プリゴジン氏に似ている。
そして、数週間前に我々が見たプリゴジン氏と同様、映像の人物もウクライナの前線の状況に言及し、「不名誉」な事態になっていると述べた(これは、ロシア軍トップへの批判と受け取れる)。
しかし我々の知るプリゴジン氏とは裏腹に、この人物は個人攻撃をせず、セルゲイ・ショイグ国防相やヴァレリー・ゲラシモフ参謀総長を直接的に批判しなかった。「正義の行進」も反乱もなかった。
この動画からは、プリゴジン氏がクレムリン(ロシア大統領府)と交わした、訴追を免れる代わりにベラルーシに移動するという合意を尊重しているようにみえる。実際、双方がこの合意を守っている。
なるほど、つまりプリゴジン氏とワグネルはベラルーシにいる。
次は何をするのだろうか? 映像からすると、アフリカに向かう者もいれば、ベラルーシ軍を「世界第2位の軍」にするための訓練に従事する者もいるようだ。プリゴジン氏は、ワグネルが「しばらく」ベラルーシにとどまると語った。一方で、ある時点でウクライナにおける「特別軍事作戦」に戻る可能性も否定していない。











