渦中のBBC司会者はヒュー・エドワーズ氏 「心の健康の問題」で入院中と妻が公表

Huw Edwards
画像説明, BBCのヒュー・エドワーズ司会者

BBCの司会者が10代の子供に性的な写真を要求し、金銭を払い続けたとする報道をめぐり、BBCのヒュー・エドワーズ司会者(61)の妻が12日、渦中の司会者は自分の夫だと公表した。エドワーズ氏は「深刻なメンタルヘルスの問題」を抱えており、入院中という。

エドワーズ氏の妻ヴィッキー・フリンド氏は声明で、「『BBC司会者』に関する最近の報道を受け、夫ヒュー・エドワーズに代わってこの声明を発表します。私たち家族にとって、非常に困難な5日間でした。なによりも彼の精神的ウェルビーイング(人が健康で幸せな、良好な状態にあること)への懸念から、そして子どもたちを守るために、このような行動をとっています」と説明した。

「ヒューは深刻なメンタルヘルスの問題を抱えています。すでに詳しく報じられているように、彼は近年、重いうつの症状で治療を受けてきました」

「ここ数日の出来事で事態は大きく悪化し、彼は再び深刻な症状に見舞われています。現在は入院治療を受けていて、当面は病院にとどまります」

動画説明, 疑惑報道のBBC司会者が入院 家族が名前と共に公表
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声明によると、エドワーズ氏は回復し次第、今回の疑惑について自分で答えるつもりだという。

BBCの男性司会者をめぐっては、イギリスの大衆紙サンが7日の記事で、3年間にわたり性的に露骨な写真を10代の若者に要求し、計3万5000ポンド(約640万円)を支払ったと報じた。相手は当初、17歳だったという。

ロンドン警視庁は現時点において、エドワーズ氏について捜査はしないとしている。

「犯罪は犯していない」

PAニュースを通じて発表された声明の中で、エドワーズ氏の妻は、渦中の司会者の身元が公表されたことで、疑惑とは無関係のBBC司会者たちに関する憶測が終結することを望んでいると述べた。

そして、夫は「疑惑がかけられていることを、先週木曜日(6日)に初めて知らされた」とした。

声明は、家族を代表してプライバシーの保護を訴えている。また、エドワーズ氏がかねてメンタルヘルスの問題を抱えていたことは、公表されてきたと述べた。

声明が発表される直前には、ロンドン警視庁から最新の発表があった。警察はBBC幹部との話し合いを経て、ここ数日間、疑惑の評価を行っていた。

「ロンドン警視庁の犯罪専門司令部の捜査員らは現在、評価作業を終え、犯罪が行われたことを示す情報はないと判断した」

「この判断に至るにあたり、捜査員らは多数の関係者と話をした。その中には、BBC、申し立てを行った者とその家族も含まれ、いずれも別の警察関係者を通じて話をした」

ロンドン警視庁の報告によると、捜査員らは「同じ人物に関してさらなる疑惑がメディアで報じられていることを認識している」が、「それらの疑惑に関する具体的な詳細や情報」は受け取っておらず、「現時点では警察による対応はない」という。

BBCは疑惑に関する「事実調査」を継続するとしている。ロンドン警視庁からの要請で、警察がこの事案について調査を進める間は独自調査を停止していた。

BBCの広報担当者は、「関係者全員に対する我々の注意義務を引き続き念頭に置きながら、適正手続きと、事実に関する徹底的な評価を確保し、調査を進めていく」と述べた。

BBCのティム・デイヴィー会長はスタッフに宛てた電子メールで、「一連の非常に複雑な状況が続いている」とした。

エドワーズ氏の家族の声明については、「ここ数日、公の場で私生活に関する話が展開されていることを思い起こさせる」とし、「この出来事の中心には人と、その家族がいる」と付け加えた。

「困難な数日間だった。多くの人にとってこれは間違いなく、難しい時期となるだろう。私たちの当面の関心事は関係者全員に対する注意義務であるということを伝えておきたい」

Huw Edwards

画像提供, PA Media

画像説明, ヒュー・エドワーズ司会者

エドワーズ氏は1980年代半ばにBBCで勤め始めた。研修生から、イギリス議会担当の政治記者と編集委員を経て、BBCニュースで最も著名な司会者の一人にまで上り詰めた。

BBCのテレビ番組「Ten O'Clock News(夜10時のニュース)」の司会のほか、選挙やエリザベス女王の死去など、大きな出来事のニュース報道を担当してきた。

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複数の疑惑

サンは7日、現在20歳の若者の母親の話として、若者がBBC司会者から受け取った金銭をクラック・コカインの購入に充て、今では常習者になったと報じた。母親は、支払いが続けば自分の子供は「死んでしまう」と話したとされる。

同紙は10日、若者の母親と継父のインタビュー記事を掲載。継父はこの件について警察に相談したものの、「違法ではないので何もできない」と言われたとしている。

サウス・ウェールズ警察によると、若者の家族からは、BBCへの苦情申し立てやサンへの証言の前に、連絡を受けていた。家族には、犯罪行為は確認できなかったと伝えたという。

同じ司会者をめぐっては、別の若者が、脅迫文を送られたとも主張した。現在20代前半のこの人物は、出会い系アプリを通じてBBCの司会者から匿名で連絡を受けたと、BBCニュースに語った。

BBCは11日、この疑惑について調査を行うと発表した。

サンは、同じ司会者が2021年2月、出会い系サイトで知り合った23歳の人物と会うために新型コロナウイルス対策のロックダウン措置に違反していたとも報じた。実際に会うよう「かなりプレッシャーを与える」メッセージを送っていたとした。

さらに、17歳の人物とのインスタグラムのチャット画面とされる画像も掲載。司会者とされる人物が、赤いハートの絵文字などを送っていた様子がうかがえる。

BBCはこれらのメッセージを検証できていない。

これ以上の疑惑報道はないと

サンの広報担当者は、エドワーズ氏に関するさらなる疑惑を報道する予定はないと説明。BBCの内部調査に協力するつもりだとした。

同紙は声明で、「サンが報じた疑惑は、常に非常に深刻なものだった。ここ数日で、さらに深刻な疑惑が浮上した」、「サンはBBCの内部調査に協力するつもりだ。BBCのチームには、私たちが受け取った深刻かつ広範な疑惑を含む、機密扱いの編集済み文書を提供する予定だ。これには、BBC関係者からのものも含まれる」とした。

また、最初に掲載した一面記事について、エドワーズ氏の犯罪性を非難したわけではないとした。

同紙は、エドワーズ氏が当時17歳の少年に性的な写真を要求し、金銭を支払ったと報じたが、そのような行為が犯罪になりうるとは主張していない。性的な画像に関する法律では、18歳未満は子どもとみなされる。性的同意年齢の16歳よりも上に設定されている。

その後の同紙の関連記事は、「2人のやり取りが始まったのは若者が17歳の時だったとみられる」との表現に差し替えられた。

今回の疑惑はサンの報道によって公のものとなり、広く議論されたが、BBCニュースを含むメディアは当初、プライバシーの観点から司会者の名前は報じないと決定した。