疑惑の司会者はBBCニュースの「顔」 視聴者にも衝撃

ケイティー・ラザル、BBC文化メディア担当編集長

Huw Edwards on the set of the BBC News at Ten in 2022

12日午後6時のBBCニュースを見ていた多くの人にとって、ショッキングな報道だったに違いない。ヒュー・エドワーズの名前はもう何日も前からソーシャルメディアのあちこちで挙がっていたけれども、それでもなお。(文中敬称略)

インターネットで見るのと、BBCニュース番組のトップ項目として司会者ソフィー・レイワースの口から正式に彼の名前を聞くのは、また別のことだ。

ニュース番組の視聴者は往々にして、番組の司会者・アナウンサーをとても身近に感じるものだ。ヒュー・エドワーズは20年にわたりBBCニュースの看板番組「News at Ten(夜10時のニュース)」の「顔」だった。視聴者にとってはショッキングな知らせだったことだろう。

BBCの報道局の中では、この有名なアナウンサーと一緒に毎日のように働いてきた人たちが、それぞれに今回の展開について反芻(はんすう)している。

嵐の中心にいるのがエドワーズだと、私たちは知っていたとしても、それを報道することはできなかった。

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彼は出演を停止された。匿名だったとはいえ、彼の評判は損なわれ、BBCは大きなプレッシャーを受けている。

彼の名前がついに公表されるとともに、さまざまな反応があった。それから察するに、多くの人の中で思いもよらない感情がこみあげ、大きな波となって押し寄せたようだ。

どう反応したらいいのか。それも定かではないかのようだ。どうやらこの一連の出来事は、心の健康に深刻な問題を抱える人の、実に悲しい話のようなのだ。

BBCニュース・チャンネルの取材に応じた人の中には、エドワーズを思いやり、回復してほしいと願う声もあった。同情はある。しかし非難がないわけではない。

もしも英大衆紙サンの報道が正確ならば、これは苦しい思いをしている家族の話でもある。それは忘れてはならない。葛藤(かっとう)する両親と、薬物に依存する若者に関する話で、エドワーズが行ったとされる行為は、違法な犯罪ではなかったとしても、総じて問題行動だったとされる可能性がある。

しかし、それこそが今回の件の核心でもある。私たちは、サンがどのような証拠に基づいて一連の記事を出してきたのか、知ることができずにいる。銀行の預金入出金取引証明も、それ以外の何かしらの証拠も、私たちは目にしていない。

それでも今回こうして、名前が明らかになった。

動画説明, 疑惑報道のBBC司会者が入院 家族が名前と共に公表
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ある意味で、BBCの価値をエドワーズほど体現する人はほかにいない。ただ単に「10時のニュース」の司会者だというだけではない。この国の歴史にとって大事なあまりに多くの節目節目で、彼は視聴者のすぐそばで、重大な出来事を伝えてきた。

数々の総選挙。そして名司会者デイヴィッド・ディンブルビーが引退してからは、王室についても。エリザベス女王が亡くなったと、私たちに知らせたのは彼だった。チャールズ国王の戴冠式中継でもメイン司会の1人を務めた。

BBCニュースを支える礎(いしずえ)は、信頼と不偏と確実性だ。ヒュー・エドワーズはそのすべてを体現していた。

彼が健康を回復できるか、そして放送の現場へ復帰できるか。それはまたあらためての話となる。