【解説】 BBCに残る多くの疑問 疑惑の司会者は出演停止になったが
ケイティー・ラザル文化・メディア編集長

画像提供, Getty Images
BBCの司会者が10代の子供に性的な写真を要求し、金銭を払い続けたとする報道をめぐり、BBCは9日、男性司会者を出演停止にし、警察と連絡を取っていることを明らかにした。
サンは7日の記事で、BBCの司会者が3年間にわたり性的に露骨な写真を10代の子供に要求し、計3万5000ポンド(約640万円)を支払ったと報じた。相手は当初、17歳だったという。
サンによると、若者の家族は今年5月19日の時点でBBCに苦情を申し立てている。しかし、その後も問題の司会者が番組に出演し続けたため、BBCの対応に不満を抱き、サンに情報を提供したという。
週末のイギリス各紙は一面でこの件を報じた。BBCは透明性を掲げる組織として、司会者の出演停止などに関する今回の声明を出さざるを得なかったのだろう。
しかし、答えなくてはならない疑問はまだ数多くある。
若者の家族が苦情を申し立てたあと、BBCは正確に何をしたのか? 苦情はどのような性質のものだったのか? 犯罪性があったことは当時、明確だったのか?
BBCはこの司会者に話を聞いたのか? 当時、警察に連絡することは考えたのか? この司会者の出演停止は考えたのか?
BBCは今回、若者の家族と話をしたことを認めた。しかし最初の苦情の後、家族への連絡は何回試みたのか?
また当時、疑惑について調べる間に司会者を降板させることを検討したのか?
<関連記事>

BBCは、「このような疑惑には社内手続きにのっとり積極的に対処している」と述べている。ただしここで、我々は全ての事実を把握していないと明言しておく必要がある。司会者は無実かもしれない。
訴えは新聞が報じたものだ。その真偽は分かっていない。
BBCのティム・デイヴィー会長は従業員あての電子メールで、この司会者の名前が明かされていない理由を説明した。サンも司会者の名前を報じていない。
デイヴィー氏は、「法律上、個人はプライバシーの尊重を合理的に期待する権利がある。そのため、状況はより複雑になっている」と語った。
BBCはまた、9日の声明で、「異なる性質の」「新しい疑惑」が6日に持ち上がったと述べている。これは、サンから連絡を受けたことだと推測できる。
疑問点は他にもある。5月にもたらされた苦情は、犯罪の可能性に言及していたのか? それとも、17歳の子供が性的な写真を要求されたという情報は、6日になって初めて出てきたのか?
広がる憶測
9日のBBCの声明では、司会者の出演停止と「外部当局」との接触が発表された。デイヴィー会長はその前に、ルーシー・フレイザー文化相と会談している。
会談後のフレイザー氏の発言からは、同氏がBBCの調査手続きについて安心したように思える。フレイザー氏は、BBCに調査を行う「スペース」を与えたいと語った。
スペースと言っても、そう長い時間ではないだろう。最初に苦情が寄せられてから、すでに2カ月が経過している。
BBCは声明で、この件は「複雑で、急変する事態」だと説明。今後数日でさらなる報告ができる見込みだとしている。
BBCは急ぐ必要がある。憶測が広がりつつある。他のBBC司会者らは、自分が無関係だと否定しなければならないと感じている。
デイヴィー会長は従業員あてのメールで、「インターネット上で流れている、司会者たちに関する根拠のないうわさを全面的に非難する」と述べた。
この件はすでに、BBCの評判を傷つけている。BBCは逃げ腰で行動が遅いと非難されている。
9日に声明を出したものの、デイヴィー会長はなお、この危機を乗り越えるためのプレッシャーにさらされている。
11日には偶然にも、デイヴィー会長はBBCの年間報告を発表し、会見に臨む予定となっている。メディアの関心は今回の件に集中するだろう。







