BBC、司会者を出演停止にし警察に連絡 10代子供から性的写真購入疑惑

画像提供, PA Media
BBCの司会者が10代の子供に性的な写真を要求し、金銭を払い続けたとする報道をめぐり、BBCは9日、警察と連絡していることを明らかにした。また、この司会者を出演停止にしたとした。
イギリスの大衆紙サンは7日の記事で、BBCの男性司会者が3年間にわたり性的に露骨な写真を10代の子供に要求し、計3万5000ポンド(約640万円)を支払ったと報じた。相手は当初、17歳だったという。
BBCニュースの取材では、BBCとロンドン警視庁は10日に協議する。警察もBBCと連絡を取っていることを認めたが、正式な申し立ては受けていないとした。
サンもBBCも、この司会者の名前は明らかにしていない。
BBCは9日に新たな声明を発表。「適切な次の段階をきちんと伝えるために事実を確定すること」に、可能な限り迅速に取り組んでいると述べた。
また、「BBCは5月に初めて苦情の申し立てを認識した」、「今月6日には、異なる性質の新たな疑惑がもたらされた。我々自身の調査に加え、規定に従い外部当局とも連絡を取り合っている」と説明した。
声明では、BBCは今後数日以内に、今回の動きに関してさらなる情報を提供できるとしている。
BBCのティム・デイヴィー会長はこの日、従業員への電子メールで、こうした疑惑を「非常に深刻に」受け止めているとした。
デイヴィー会長は、状況は「複雑」だが、BBCとして事実関係を迅速に把握し、「これらの問題が公正かつ慎重に処理されるよう」取り組んでいると述べた。
また、BBCで働く一部の司会者についてインターネット上で 「根拠のないうわさ」が流れていることを非難した。
「パニック状態の電話」
一方、サンは9日、新たな関連記事を掲載し、最初の報道後に司会者が、現在20歳の若者に「パニック状態の電話」を2回かけたと報じた。
記事によると、司会者は若者に「何をしたんだ」と問いかけたという。また、若者が母親に電話をして「調査をやめさせる」よう頼んだという。
サンはまた、BBCの最新の声明について若者の家族が動揺していると指摘。「最初の申し立て以降、BBCからは正式なインタビューについて誰からも連絡がなかった」と述べていると伝えた。
ロンドン警視庁の報道官は、この件について「BBCから最初の連絡があった」が、「正式な照会や申し立て」はされていないと説明した。その上で、警察が今後の行動を決定するには、より多くの情報が必要だと話した。
こうした中、ルーシー・フレイザー文化相は9日、デイヴィー会長と緊急会談を行った。
フレイザー氏はツイッターで、「疑惑の性質を考えると、BBCが調査し、事実を確定し、適切な措置をとられるようにすることが重要だ」と述べ、今後もBBCから進捗(しんちょく)について報告を受けると話した。
BBCは7日に発表した声明で、こうした疑惑に対応する手続きがあるとコメント。「私たちに連絡をした人たちにこちらから連絡をとり、話を聞き、詳細情報を得て状況を理解しようとする作業も含まれる」と説明している。
「仮にこちらからの連絡に返答がない、あるいは先方からの連絡が途絶えた場合、私たちの対応能力は制約を受けることもあるが、だからといって私たちの調査がそこで止まるわけではない」と、BBC広報は続け、「その後いずれかの時点で、新情報が明らかになったり提供されたりした場合(これは新聞経由での新情報も含む)、私たちは所定の内部手続きに沿ってただちに対応する」と述べた。
BBCのケイティー・ラザル文化編集長は、この疑惑について「私たちは真実を知らされていない」と指摘した。また、BBCの声明について、家族からの応答がなかったために最初の調査が妨げられた可能性を示唆しているようだと述べた。
BBCの初期対応に問題か
若者の母親はサンの取材に対して、若者が受け取った金銭をクラック・コカインの購入に充て、今では常習者になったと説明。支払いが続けば自分の子供は「死んでしまう」と話したとされる。
同紙はさらに8日、母親の話として、このBBC司会者が自宅で下着姿になり「私の子が相手をするのを待ち構えている状態」の写真も存在すると伝えた。
サンによると、若者の家族は今年5月19日の時点でBBCに苦情を申し立てている。しかし、その後も問題の司会者が番組に出演し続けたため、BBCの対応に不満を抱き、サンに情報を提供した。
サンは、若者の家族は情報提供の対価は求めなかったと報じている。
サンの第一報を受け、BBCの司会者たちはソーシャルメディアで、自分が当該人物ではないと表明した。これにはライラン・クラーク氏、ジェレミー・ヴァイン氏、ニッキー・キャンベル氏、ギャリー・リネカー氏などが含まれる。
BBCの「ラジオ5ライブ」に出演しているキャンベル氏はツイッターで、同氏を渦中の司会者だとした匿名のツイッターアカウントの投稿について、警察に通報したと述べた。
BBCの苦情対応については、特に、渦中の司会者を聴取し、追加調査のためにどのような措置が取られたかについて、懸念が示されている。
BBCニュースのルーシー・マニング特別編集委員は、若者の家族が苦情を申し立てて以降、BBCがこの司会者に対する調査を適切に実施していなかったとの非難がすでに出ているとした。
政界や業界からも批判
9日には政界からも、BBCは疑問に答えるべきだとの声が多く上がった。
最大野党・労働党のレイチェル・リーヴス影の財務相は、BBCの報道番組「サンデー・ウィズ・ローラ・クンスバーグ」に出演。BBCは「組織内を整える」べきだと発言した。また、もし報道が事実で、司会者が苦情があった後も何週間も放送を続けていたのなら、「(BBCの行動は)十分ではない」と話した。
「BBCは一連の手続きを迅速化する必要がある」とリーヴス氏は述べ、BBCに対して「この件でいったい何が起こったのか、そしてそれを正すために何をしているのか、今すぐもっと明確に」するよう求めた。
同番組には与党・保守党のヴィクトリア・アトキンス議員も出演した。
アトキンス氏はこの苦情は「とても、とても深刻」なもので、BBCは「社内で規定されているという」手続きに従いながら「迅速」に行動するべきだと述べた。
また、この問題の中心は「あらゆる感情を抱くであろう(中略)若者」だと指摘し、この件に言及したり報道したりする際には若者のことを考えるべきだと話した。
英テレビ制作会社ITNの元会長スチュアート・パーヴィス氏も同番組で、この件はBBCが行ってきた「イギリスの信頼できる放送局」になるための取り組みに害を与えるかもしれないと述べた。
もしBBCで働いていたらどのような行動を取ったかという質問に対しては、パーヴィス氏は、経営陣が「何をすべきか分かっている人々」を集めるべきだと答えた。
「人事部門、弁護士、広報担当者、渦中の人物の上司らが必要だ」
「互いに送るメールのひとつひとつが調査の対象となり、いつかは公開されることを忘れてはならない。BBCトップにかかるプレッシャーは相当なものだ」
BBCの報道方針について
BBCニュースのジャーナリストはこうした件について、BBCを他の組織と同様に扱い、報じる。
BBCニュースはまた、他の組織に対するのと同じく、BBC経営陣やBBCの各部門にコメントを求め、BBC広報に公式声明を求める。
BBCのジャーナリストは時に、業務の一環としてBBCの経営陣に対し、予告なしの「突撃取材」を行う。
一方で、経営陣から依頼を受けてインタビューを行う場合もある。今年3月に行われた、BBCスポーツのギャリー・リネカー司会者に関するデイヴィー会長へのインタビューなどがこれに当たる。
こうした場合、BBC記者は幹部らにどれだけ説明責任を果たすよう求めたのか、BBC内外から厳しくチェックされると分かっている。










