「ウクライナでの戦争は終わらせなくては」 南アフリカ大統領がプーチン氏に伝える

South African President in Ukraine

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画像説明, 南アフリカのシリル・ラマポーザ大統領

南アフリカのシリル・ラマポーザ大統領は17日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領に対し、ウクライナでの戦争は終わらせるべきだと述べた。

ラマポーザ大統領はこの日、アフリカ7カ国によるロシアとウクライナに提示する平和イニシアチブの一環として、ロシア西部サンクトペテルブルクでプーチン氏と会談した。

この代表団は16日には、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領とキーウで会談。ゼレンスキー氏は、ロシアがウクライナの領土を占領している間はロシアと協議しないと話していた。

17日の会談でプーチン氏は、ウクライナが常に話し合いを拒否してきたのだと述べた。

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ラマポーザ大統領は両国に対し、戦争捕虜の帰還を要請。また、ロシアがウクライナから移送した子供たちを家に帰すべきだと述べた。

国際刑事裁判所(ICC)は今年3月、子供の不法な移送が戦争犯罪に当たるとして、プーチン大統領らに逮捕状を出している。

アフリカ諸国の代表団がこの件に触れようとすると、プーチン氏は発言を遮り、「子どもは神聖な存在だ。私たちは彼らを紛争地域から移動させ、命と健康を守ったのだ」と述べた。これについて国連は、数百人のウクライナの子供が違法にロシアへ移送された証拠を入手したとしている。

動画説明, ロシアに連れ去られ……子供を取り戻しに敵地に入るウクライナの母親たち
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ラマポーザ氏はさらに、戦争がアフリカに与える影響についてプーチン氏に警告し、外交で解決すべきだと述べた。

「戦争を永遠に続けることはできない。すべての戦争は、どこかの段階で決着をつけ、終わりを迎えなければならない」

「我々は、この戦争を終わらせてほしいという明確なメッセージを伝えるためにここにいる」

この戦争では、ウクライナからの穀物やロシアからの肥料の輸出が著しく制限され、特にアフリカ諸国が影響を受け、世界の食糧難が激化している。

しかしプーチン氏は、穀物危機はウクライナでの戦争ではなく西側諸国が起こしているものだと批判。昨年に国連があっせんした、ウクライナ産の穀物を黒海経由で輸出するための国際合意では、最貧国に届く穀物は輸出量のわずか3%だと述べた。

ロシアはこれまでも、西側の制裁によって農産物輸出が制限されていると繰り返し非難している。クレムリン(ロシア大統領府)のドミトリー・ペスコフ報道官は、「現時点で約束が実行されていない」ため、穀物輸出の合意を「延長する根拠がない」と述べている。

アフリカ諸国のさまざまな立場

プーチン氏は一方で、「特別軍事作戦」をめぐるアフリカの姿勢について、バランスが取れていると評価した。

代表団は、南アフリカ、エジプト、セネガル、コンゴ共和国、コモロ諸島、ザンビア、ウガンダの7カ国からなる。それぞれアフリカの異なる地域を代表し、戦争に対しても異なる姿勢を取っている。

南アフリカとウガンダはロシア寄りとみられているが、ザンビアやコモロ諸島は西側寄り。エジプトとセネガル、コンゴ共和国は中立を保っている。

アフリカ諸国はこの戦争を、主にロシアと西側諸国の対立と見なしてきた。

代表団は16日にゼレンスキー氏とも会談。この際にラマポーザ大統領は、欧州での戦争がアフリカの12億~13億の人々に影響を与えていると警告した。

代表団が首都キーウに到着すると、空襲警報が鳴り響いた。ウクライナのドミトロ・クレバ外相はこれを受けて、プーチン氏が「戦争をもっと」欲しているのだと説明した。

会談の中でゼレンスキー氏は、ロシアが拘束している政治犯の解放仲介が「皆さんの代表団の重要な成果」になるだろうと伝えた。

ウクライナは現在、バフムート地区の近くなどで反転攻勢を開始しており、両国の緊張は高まっている。

ロシアは、ウクライナの攻勢は失敗していると主張。対するウクライナ側は、南部の前線で100平方キロメートルを奪還したと述べている。

Map showing location of villages retaken by Ukrainian forces