ウクライナ反転攻勢の前線ルポ 奪還した集落に住人の姿なし
ジェイムズ・ウォーターハウス(ウクライナ東部ネスクチュネ)、BBCニュース

ウクライナ軍が反転攻勢でロシア軍から奪還したウクライナ東部の集落に、BBCの取材チームが13日、いくつかのメディアと共に最初に取材に入った。
BBCが取材したのは、東部ドネツク州の集落ネスクチュネ。ウクライナ語で「退屈しない」という意味だ。
ロシアは本格侵攻を開始した数週間後から、ここを支配してきた。ロシア側の前線で、最も北にあった集落だった。
ウクライナ軍の大隊によると、同軍がドネツク州で解放した4集落のうち、ネスクチュネで最も激しい戦闘があった。同軍はここで兵士6人を失ったという。
取材チームは、護衛の兵士アナトリーさんが運転する迷彩柄のトラックでネスクチュネに向かった。損傷した道路を走っていると、昨年見たのとは明らかに違う「解放」があった。
まず、民間人がいない。文明社会を感じさせるのは、吹き飛ばされた薬局と食料品店だけだ。
複雑な塹壕のネットワークもない。川にはにわか作りの木製の橋が一つ架かっており、それを通って、ロシアが長い間制圧してきた地域に入ることができる。
建物は小口径の武器の弾痕だらけで、多くの接近戦があったことが分かる。
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アナトリーさんが、ここには長くいたくないと言う。
密集した木々の間や、住人のいなくなった家の庭などに身を隠したウクライナ兵らが時折、迫撃砲を発射している。ロシア軍が3方向から丘の上に迫っていると、アナトリーさんが説明する。
突然、3本の煙が立ち上った。移動したほうがいいという合図だ。ロシア軍がグラート・ミサイルで応戦しているのだ。
ここの情勢は、ウクライナ政府が今週、勝ち誇ったように宣言した解放の内容より、はるかに流動的だ。
ロシア軍は昨夜も反撃に出た。ウクライナ当局もこれを認めている。
ウクライナの反転攻勢はまだ初期段階で、戦果は少ない。
ネスクチュネの状況からすると、解放はどこであれ即座には実現しないだろうし、必ずしもすぐに自由をもたらすこともないだろう。

ネスクチュネの元住民はBBCに、この集落が2014年にも一時、ロシアが支援する戦闘員らに占拠されたことがあったと話した。当時、ドネツク州とルハンスク州の広い地域を、それら戦闘員らが制圧していた。これに先立ってロシアは、ウクライナ南部クリミア半島を不法に併合していた。
その後、この小さな集落はウクライナの管理に戻った。だが、昨年の侵攻後すぐ、ロシア軍に占拠された。
今週初め、ネスクチュネの破壊された建物で、ウクライナ兵2人が青と黄色の国旗を掲げる様子だとされる動画が公開された。
近くでは砲撃による大きな音がとどろいている。










