ウクライナ、3カ所の村を奪還か 反転攻勢で初戦果と発表
マット・マーフィー、BBCニュース

画像提供, Reuters
ウクライナは11日、同国南東部の3カ所の村を解放したと発表した。反転攻勢における最初の勝利だとしている。
ソーシャルメディアには、ドネツク州内で隣り合う集落ブラホダトネとネスクチュネで、ウクライナ軍が祝杯をあげている場面とされる映像が投稿された。
ウクライナのハンナ・マリャル国防次官は、近くの村マカリフカも奪還したと述べた。
ウォロディミル・ゼレンスキー大統領は10日、ロシアに対する反攻が始まったことを明らかにしていた。
ゼレンスキー氏の発言以降にウクライナの集落が解放されるのは、今回の3集落が初めて。ただし、ウクライナ軍の一部は5日からで南部など前進を始めており、すでに奪還された集落は他にあった。
ロシアはいずれの村についても、失ったとは認めていない。逆に、ドネツク州でウクライナ軍を撃退したとしている。
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これとは別に、ウクライナは11日、南部ザポリッジャ州にあるダムがロシアによって爆破されたと説明した。
6日には南部ヘルソン州ノヴァ・カホフカの大型ダムが破壊されており、広い範囲で洪水が発生している。ウクライナはこのカホフカ・ダムについても、昨年2月から管理しているロシア軍が爆破したとしている。
ウクライナ軍のヴァレリー・シェルシェン報道官はこの日、ザポリッジャ州ノヴォダリウカ村の近くにあるダムで、ロシア軍がダムとして2カ所目になる爆破を実行し、「モクリ・ヤリ川の両岸で洪水を引き起こした」と述べた。
また、ロシアについて、自軍の支配地域にウクライナ軍が前進するのを阻止するため、南部のダムを意図的に爆破していると主張した。
ロシアはカホフカ・ダムの爆破を否定し、ウクライナによるものだと主張している。
「再びウクライナの旗の下に」
ソーシャルメディアの親ウクライナ派アカウントで共有されている映像には、ドネツク州ブラホダトネの焼け落ちた建物の外で、兵士らがウクライナ国旗を掲げる場面が映っていた。
また、国境警備隊が公開した映像では、ウクライナ軍が「ドネツク州ネスクチュネは再びウクライナの旗の下にある」と宣言。その後、戦場で定番のかけ声となっている「ウクライナに栄光あれ」を叫んでいる。

一方、マリャル国防次官はテレグラムに投稿した動画で、ウクライナ軍がマカリフカ村も奪還したと主張した。
軍報道官は今回の奪還について、反撃における最初の局地的勝利だとした。
ウクライナにとって3村の奪還は、ここ数日で最大の前進ではあるが、各村とも比較的規模が小さい。ブラホダトネには開戦前、1000人ほどしか住んでいなかった。
同村は港湾都市マリウポリに向かう道路が通っており、ここ数日、激しい戦闘の中心地となっている。一部のアナリストは、ウクライナが今後数カ月のうちに、マリウポリ奪還を目指す可能性があるとみている。
ウクライナについては、ロシア占領下のクリミア半島とドネツク州を結ぶ橋を破壊し、半島のロシア軍の孤立を狙っていると指摘するアナリストもいる。
バフムート近辺でも前進か
東部でも、廃墟となったバフムート市の近くにウクライナ軍が前進したとみられている。同市ではウクライナ軍とロシア軍が長期間、激戦を繰り広げてきた。
ウクライナの高官らは、前進の具体的な内容についてのコメントを拒否している。
謎めいた人物として知られるウクライナ国防省のキリロ・ブダノフ情報総局長は11日、「計画は沈黙を好む」というキャッチフレーズを繰り返す動画を公開した。このフレーズは、反攻の背景にある秘密主義を象徴するものとなっている。
ウクライナの作戦範囲は不明だが、米シンクタンク「戦争研究所(ISW)」は10日、ウクライナ軍が前線の少なくとも4地域で攻撃しているとの見方を示した。
ロシアの強固な守り
ウクライナはロシアの強固な守備隊を探査した際に、いくつかの失敗をしている。ウクライナ兵の一団は、8日のザポリッジャ州南東部での攻撃で、アメリカ製の新型歩兵戦闘車ブラッドレーを数台失ったとAFP通信に説明した。
9台のうち6台が大破されたといい、自軍の計画情報が漏れていた恐れがあると付け加えた。
アナリストらは、ロシアが数カ月にわたって強化してきた戦線をウクライナが突破する難しさを強調している。
ただ、別の地域では、ウクライナ軍が週末、ドイツ製戦車レオパルト2などで機械化した攻撃によって前線を突破したとされている。
他方、ウクライナと国境を接するロシア・ベルゴロド州では10日夜、貨物列車が脱線し、鉄道が運行停止となった。同州の国境地帯はここ数週間、ドローン(無人機)、砲撃、越境隊による攻撃を受けている。
ベルゴロド州より北に位置するカルーガ州では、ストレルコフカ村の付近と森林の2カ所でドローンが墜落したと、ウラディスラフ・シャプシャ知事が話した。
BBCはこれらの事案について独自の検証ができていない。
追加取材:ポール・アダムス











