ウクライナの反転攻勢は「始まっている」、ゼレンスキー氏が認める 詳細は語らず

画像提供, EPA
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は10日、長く予想されてきたロシア軍に対する反転攻勢を開始したことを認めた。
「反撃・防衛行為が行われている」と、ゼレンスキー氏は述べた。
しかし、反転攻勢がどのような段階、あるいはどのような状況にあるのかについては詳細は語らないとした。
ウクライナの南部と東部で戦闘が激化し、広く予想されてきたウクライナ軍の前進がみられるとの指摘が相次ぐ中、ゼレンスキー氏は反転攻勢を開始したことを認めた。
ウクライナ部隊をめぐっては、東部バフムート近郊や南部ザポリッジャ近郊で前進し、ロシア軍の標的を長距離砲で攻撃しているとの報告があがっている。
ただ、前線の実際の状況を評価するのは難しく、両陣営がそれぞれ主張する内容は対照的だ。ウクライナ側は自軍は前進しているとし、ロシア側はウクライナ軍の攻撃を撃退しているとしている。
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は9日に公開されたビデオインタビューで、ウクライナ軍は確かに反撃を開始しているが、多くの犠牲者を出し、前進の試みは失敗に終わったと述べた。
ゼレンスキー氏は10日、首都キーウでカナダのジャスティン・トルドー首相と会談後、プーチン氏の発言は「興味深い」ものだと述べた。
ゼレンスキー氏はプーチン氏が誰か知らないかのような振りをして、肩をすくめて眉を上げ、ロシアが「自分たちにもう(時間は)あまり残されていない」と感じることが重要だと述べた。
また、ウクライナ軍の司令官たちの間には前向きなムードが漂っているとし、「プーチンにそう伝えてくれ」と付け加えた。
<関連記事>

事前の予告なしにキーウを訪問したカナダのトルドー首相は、ウクライナへの5億カナダドル(約520億円)規模の新たな軍事援助を発表した。
会談後の共同声明によると、カナダは「条件が整い次第」ウクライナが北大西洋条約機構(NATO)に加盟することを支持する。また、この問題については、7月にリトアニア・ヴィリニュスで開催されるNATO首脳会議で議論される予定という。
南部オデーサ、ドローンの破片が住宅を直撃
両首脳による記者会見に先立ち、ウクライナ南部オデーサでは、ロシア軍の夜間の攻撃により3人が死亡し、数十人が負傷した。
ウクライナ当局によると、撃墜されたロシア軍のドローンの破片により、オデーサの集合住宅で火災が発生した。
ウクライナ空軍によると、オデーサへの攻撃は6時間続いた。ロシア軍は地上発射型ミサイル8基とドローン35機などを使った。ウクライナの防空部隊はドローン20機と巡航ミサイル2機を撃墜したという。
「空戦の結果、ドローン1機の破片が高層マンションに落下し、火災が発生した」と、ウクライナ軍南部司令部のナタリヤ・フメニュク報道官は述べた。
ウクライナの緊急サービスによると、子ども3人を含む27人が負傷した。火はすぐに消し止められ、建物から12人が救出されたという。
複数の画像では、オデーサのアパートが大きな被害を受け、部屋の中にはがれきが散乱し、窓が吹き飛んでいることがわかる。地面に大きなクレーターができているのがわかる画像もある。

画像提供, Reuters
ウクライナ各地で攻撃
中部ポルタヴァ州にある飛行場も、ロシア軍の夜間の攻撃の標的になった。
知事によると、複数の弾道ミサイルや巡航ミサイル、ドローンが使用された。攻撃により、飛行場のインフラや設備が損傷したという。
北東部ハルキウ州では、別の攻撃で29歳の人が1人が死亡したと、当局は明らかにした。
こうした中、南部ザポリッジャ州ではここ数日、戦闘が激しさを増している。ウクライナ軍はアゾフ海へのアクセスを取り戻し、ロシア軍を分断しようとしていると報じられている。
しかし、南部ヘルソン州のロシア支配地域では6日、ノヴァ・カホフカ市にあるカホフカ水力発電所のダムが決壊し、広範囲が浸水した。これにより、同地域での前進を目指すウクライナ軍の行く手が阻まれる可能性がある。
浸水被害はドニプロ川の両岸約600平方キロメートルに及んでいる。
NATOとウクライナ軍は、ロシア軍がダムを爆破したと非難している。一方、ロシア軍はウクライナが破壊したのだと主張している。









