ロシアが国際刑事裁判所の検察官を指名手配、プーチン氏への逮捕状めぐり

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オランダ・ハーグに本部を置く国際刑事裁判所(ICC)は20日、ロシアが同裁判所の主任検察官を指名手配したことについて、「屈することはない」と述べた。
ICCのカリム・カーン検察官は今年3月、ウクライナ侵攻をめぐる戦争犯罪容疑で、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領らに逮捕状を出した。
ICCの逮捕状では、ロシアが占領したウクライナの地域から子どもたちをロシアへと不法に移送しており、プーチン氏にこうした戦争犯罪の責任があるとしている。
これに対し、ロシア連邦捜査委員会(SKR)は今週、ICCのカリム・カーン検察官に対し、「無罪とされている人物に対する刑事起訴」について捜査に着手すると発表した。
ICCはロシアのこの発表を受け、「ICC職員に対して行われているとされる、無根拠で不当な強制的措置を認識し、深く懸念している」と述べた。
また、ロシアの対応を「受け入れられない」と批判した上で、ICCの任務遂行が妨げられることはないと述べた。
イギリス出身のカーン検察官は、この件についてコメントしていない。
ウクライナ当局によると、侵攻開始以降に1万6000人以上の子供が強制的にロシアに移送されている。
カーン検察官は3月、ロシアで子どもの権利を担当するマリア・リヴォワ・ベロワ大統領全権代表にも同様の逮捕状を出している。
ICCは当時、プーチン氏とリヴォワ=ベロワ氏がそれぞれ犯罪行為に関わったと信じるに足る合理的な根拠があると説明していた。
ロシアはICCに加盟しておらず、逮捕状は「言語道断」だとしていた。

国連高官の行動が問題に
これとは別に、国連のヴァージニア・ガンバ事務総長特別代表(子どもと武力紛争担当)がリヴォワ=ベロワ氏とモスクワで会ったとの報道があり、注目を集めている。
ロイター通信は、ロシア出身のガンバ氏がリヴォワ=ベロワ氏との会談について「建設的で誠実なものだった」と話したと伝えた。
これに対し、人権擁護団体や国連高官などから、会談は不適切だったのではないかとの指摘が出ている。
ヒューマン・ライツ・ウオッチの国際司法プログラムで副ディレクターを務めるバルキース・ジャラ氏は、「ウクライナの犠牲者は、リヴォワ=ベロワ氏が国連高官と会う姿ではなく、ICCで刑務所に入れられる姿を見るべきだ」と述べた。
リヴォワ=ベロワ氏は昨年9月、ウクライナのマリウポリ市から連れ去られた子どもの一部が「(ロシア大統領の)悪口を言い、ひどいことを言い、ウクライナの国歌を歌った」と非難していた。










