アメリカ、F-16戦闘機の提供を容認の方針 他国からウクライナへ

ジョナサン・ビール防衛担当編集委員、ジェイムズ・グレゴリー、BBCニュース

Portuguese F16

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画像説明, ポルトガル保有のF-16戦闘機

米政府高官は19日、F-16戦闘機など米国製の新型戦闘機を他国がウクライナに提供するのを、アメリカが容認すると述べた。ウクライナ人パイロットの訓練も支援するとした。

米高官によると、この決定はジョー・バイデン大統領が、日本を訪れている主要7カ国(G7)の首脳らに伝えたという。

米国製の軍備品は、購入した同盟国が第三国へ再輸出する場合、法的にアメリカの承認が必要となっている。

戦闘機をめぐっては、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が何カ月も前から繰り返し、西側同盟国に供与を求めている。

同大統領はツイッターで、今回の決定を「歴史的」と呼び、「私たちの空軍が大幅に強化される」と歓迎。対面出席が見込まれている広島でのG7首脳会議(サミット)で、この計画の「実施について議論する」のを楽しみにしていると付け加えた。

米高官はまた、「ウクライナ空軍の能力のさらなる強化と向上のため、ウクライナのパイロットをF-16を含む第4世代戦闘機で訓練する同盟国やパートナーとの共同作業を支援する」と説明。

訓練が進められる今後数カ月間で、戦闘機の提供時期や数、どの国が提供するかを同盟国側が決めることになるとした。

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画像説明, 広島・厳島神社で19日に記念撮影したG7首脳ら。首脳会談にはウクライナのゼレンスキー大統領も対面出席する見通しとなっている

パイロットの訓練に長い時間

アメリカはこれまで、新型の戦闘機をウクライナに提供することに、少なくとも短期的には消極的で、地上での軍事支援に重点を置いてきた。

米軍高官らは、ロシア空軍が制空権の獲得に苦しんでおり、ウクライナの防空システムも高密度で配備されていることから、西側が戦闘機を供与しても戦況を大きく変えられるかは疑問だとBBCに話していた。

そうした点から、今回のアメリカの方針転換は大きな意味をもつ。ただ、F-16戦闘機のパイロットの訓練には時間がかかる。経験豊富なパイロットでも最大4カ月かかるとみられる。

戦闘機の供与には各国の同意も必要だ。F-16は製造国のアメリカのほか、ヨーロッパや中東の多くの国で使われている。どこが供与するのかが、次の重要な問題となる。

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Presentational white space

欧州各国の反応

今回のアメリカの決定を、イギリス、オランダ、ベルギー、デンマークが歓迎した。

イギリスのリシ・スーナク首相は、「イギリスはアメリカ、オランダ、ベルギー、デンマークと協力し、ウクライナが必要としている戦闘航空能力を手に入れられるようにする」とツイートした。

イギリスはF-16戦闘機を保有していない。

デンマークは、パイロットの訓練を支援できるとしたが、ウクライナに戦闘機を送るのかは明らかにしなかった。デンマーク空軍はF-16戦闘機を40機保有し、うち約30機を運用している。

スーナク氏はまた、イギリスがウクライナ人パイロットの訓練学校を設立すると表明。フランスのエマニュエル・マクロン大統領も同様の意向を示したが、戦闘機は提供しないとした。

NATO加盟国に懸念も

北大西洋条約機構(NATO)加盟国の一部からは、ウクライナに戦闘機を提供することで戦争に加担しているとみられ、ロシアとの直接対決に陥ることを懸念する声も出ている。

ウクライナは、ロシアの航空戦力(ウクライナの5~6倍とされる)に対抗するには、最大200機のジェット機が必要だとしている。ゼレンスキー氏は主にF-16戦闘機を同盟国に要求している。

東欧のいくつかの国は今年になって、ソヴィエト連邦時代のミグ戦闘機をウクライナに提供している。