バイデン米大統領、F-16戦闘機のウクライナへの供与を否定

Two F-16 fighter jets

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画像説明, 米軍のF-16戦闘機。ウクライナは西側諸国にこれら最新鋭の戦闘機の供与を求めている

アメリカのジョー・バイデン大統領は30日、米軍のF-16戦闘機をウクライナに供与しない考えを示した。ウクライナ側は、空軍力増強のための支援を改めて求めている。

バイデン氏はこの日、ウクライナに戦闘機を供与するのかと記者に問われ、「ノー」とだけ答えた。

ウクライナへの戦闘機の供与をめぐっては、ドイツのオラフ・ショルツ首相も前日、可能性を否定している

ウクライナは、ロシアとの戦争で自国領空を支配するには戦闘機が必要だとしている。

要請を繰り返し拒否

米戦闘機「F-16ファイティング・ファルコン」は、世界で最も信頼性の高い戦闘機の1つとされる。ベルギーやパキスタンなども保有している。

ウクライナが現在運用している戦闘機は、ソヴィエト連邦の一部だった30年以上前に製造されたもの。F-16が供与されれば、空軍力は格段にアップグレードされる。

しかしバイデン氏は、ウクライナからの戦闘機供与の要請を繰り返しはねつけ、他の軍事支援に力を入れている。先週には、米軍の主力戦車「M1エイブラムス」31台を供与すると発表した。戦車については、イギリスとドイツも供与を表明している。

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Presentational white space

ウクライナのアンドリイ・メルニク外務副大臣は、戦車供与の発表を歓迎すると同時に、「戦闘機連合」の創設を同盟国に求めた。この枠組みによって、欧州数カ国が共同開発したユーロファイターやトルネード、フランスのラファール、スウェーデンのグリペンなどの戦闘機が提供されることを望んでいる。

ただ、ドイツのショルツ首相は29日、独紙ターゲスシュピーゲルのインタビューで、ウクライナに戦車「レオパルト2」の供与を約束した直後に他の軍事支援を議論するのは「軽薄に思える」と発言。北大西洋条約機構(NATO)がロシアと戦争をすることになるような「エスカレーションは容認できない」とした。

西側諸国の姿勢

ロシアはNATOについて、ウクライナを代理として攻撃に加わっているとの非難を展開している。そうした状況で、アメリカやドイツなどNATO加盟国は、紛争をエスカレートさせかねない軍事支援には消極姿勢を保っている。

フランスのエマニュエル・マクロン大統領も30日、同盟国のこうした感覚に同調。ウクライナへの支援では「何事も除外されない」とする一方で、状況を悪化させたり、フランスの自衛力を制限したりするものであってはならないと述べた。

オランダなど欧州連合(EU)の他の国々は、戦闘機の供与について立場を明確にしていない。ただポーランドは、NATOと連携して戦闘機を送る用意があるとしている。

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