ゼレンスキー氏が広島入り、首脳声明を前倒しで発表 G7サミット2日目

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広島市で開かれている主要7カ国首脳会議(G7サミット)は2日目の20日、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が現地入りした。21日に予定されているウクライナ情勢をテーマにした討議などに加わる見通し。20日には招待8カ国の首脳らも次々到着し、開発問題などの議論に参加した。また、サミット全体の首脳声明が予定より早く発表された。
ゼレンスキー氏は午後3時半ごろ、フランス政府機で広島空港に降り立った。前日にサウジアラビアでアラブ連盟の首脳会議に参加し、日本へと向かっていた。
タラップを降りて、木原誠二内閣官房副長官ら日本政府関係者や、セルギー・コルスンスキー駐日ウクライナ大使らウクライナ大使館関係者の出迎えを受けると、素早く車に乗り込んで空港を離れた。
ゼレンスキー氏は広島に到着後、「日本。G7。ウクライナのパートナーや友人たちと、大事な会議がたくさんある。我々の勝利のため、安全保障と協力関係の強化だ。今日、平和は近づく」と英語でツイートした。
同氏が広島を訪れるとの情報は、サミット開幕日の19日に流れ始めた。その後、情報は錯そうし、この日まで同氏の予定は明らかにされていなかった。
サミット会場のホテルに入ったゼレンスキー氏は、イタリアのジョルジャ・メローニ首相、イギリスのリシ・スーナク首相、インドのナレンドラ・モディ首相、フランスのエマニュエル・マクロン大統領、シャルル・ミシェル欧州理事会議長、ドイツのオラフ・ショルツ首相と個別に相次ぎ会談した。
ゼレンスキー氏は20日夜にツイッターへ、ウクライナ国民にこの日の取り組みを説明する動画を投稿。「平和フォーミュラ。ウクライナのため、できるだけ多くの国やリーダーに関心を持ってもらう。防衛。ウクライナへの長期的な支援プログラム。金融と経済」について、複数の首脳と建設的な話し合いを重ねたとして、「広島初日はとてもパワフルだった。2日目はさらにパワフルになる」と書いた。

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サミット最終日の21日には、ウクライナ情勢に関する討議が予定されている。ゼレンスキー氏はそれに参加する見通し。また、岸田文雄首相らとの首脳会談にも臨むとみられている。21日午後に広島で演説を行うとも報じられている。
サミット首脳声明を発表
広島サミットの成果をまとめた首脳声明がこの日、予定を前倒しされて発表された。最終日の21日に出されるはずだったが、ゼレンスキー氏が広島入りしたことを受け、同氏を交えた最終日の討議に備えるためとみられる。
英文で40ページにわたる首脳声明は、G7によるウクライナ支援や、中国の経済的威圧への対応、核不拡散、人工知能(AI)などの問題に触れている。
ウクライナ情勢については冒頭で言及。「ウクライナに対する外交、財政、人道、軍事支援を強化し、ロシアとその戦争を支援する国々の負担を増加させる」ことと、戦争の負の影響に対処している世界の他の国々を支援することに、G7として関与していくとした。
首脳声明は続いて、19日に発表された、核軍縮に焦点をあてた「広島ビジョン」を強調。「核兵器のない世界」を目指す覚悟を表明した。ただ、明確な約束はしなかった。
中国については、「デリスキング」(リスク低減)を呼びかけた。これはサミットに出席中のウルズラ・フォン・デア・ライエン欧州委員長が提唱している政策で、アメリカが考える中国との「デカップリング」(切り離し)を穏健化したもの。中国の経済的発展を妨げる意図はないとした上で、個別にも集団的にも、経済的活力に投資するための措置を講じ、重要なサプライチェーンにおける過度の依存を減らすとした。
一方で、中国が海洋進出を続ける東・南シナ海情勢を深く懸念しているとし、力や威圧による一方的な現状変更の試みに強く反対するとした。
また、台湾海峡の平和と安定の重要性を改めて強調。それらは国際社会の安全と繁栄に不可欠だとし、台湾をめぐる問題の平和的解決を促した。
招待8カ国の首脳らも合流
この日は、議長国の日本が招待した8カ国の首脳らも相次ぎ広島に入り、岸田首相が出迎えた。
オーストラリア、インド、ブラジル、韓国、ベトナム、インドネシア、コモロ(アフリカ連合代表)、クック諸島(太平洋諸島フォーラム代表)の各国。
日本は今回、七つの国際機関も招待しており、国連のアントニオ・グテーレス事務総長や、国際通貨基金(IMF)のクリスタリナ・ゲオルギエヴァ専務理事らも次々と広島を訪れた。
夕方には、G7と招待国の首脳、招待国際機関の代表らが、サミット会場のグランドプリンスホテル広島で集合写真を撮影した。この約90分前に広島空港に降り立ったゼレンスキー氏の姿はなかった。

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この日は午前から、「パートナーとの関与の強化(グローバル・サウス、G20)」をテーマにした討議が開かれた。
午後には、「経済的強靱(きょうじん)性・経済安全保障」をテーマにした討議を開催。その後、招待国の首脳らも交えて、「複合的危機への連携した対応」(食料、保健、開発、ジェンダーなど)をテーマにした協議などが行われた。

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