中国の裁判所、アメリカ国籍の78歳男性に終身刑 スパイ罪で
ギャレス・エヴァンス、BBCニュース

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中国の裁判所は15日、アメリカ国籍の78歳の男性にスパイ罪で終身刑を言い渡した。
この男性は、香港の永住権を持つジョン・シン=ワン・リャン氏。同日、収監された。
中国南東部・蘇州市の裁判所の中級人民法院は、罪状について詳細を明らかにしなかった。
裁判所の報道発表によると、リャン氏は2年前、同市で中国防諜機関の地方支局に逮捕された。
中国のソーシャルメディア「微信(ウィーチャット)」に投稿された裁判所の声明は、リャン氏について、「スパイ罪で有罪となり、終身刑が宣告され、政治的な権利が生涯剥奪された」とした。
同氏が逮捕時にどこに住んでいたかは不明。
米国務省はコメント避ける
北京のアメリカ大使館の広報担当は、報道内容は承知していると説明。「国務省にとっては、国外にいる米国民の安全と安心が最優先だ」と述べた。
米国務省は15日のワシントンでの記者会見で、プライバシーへの配慮を理由に、この件に関するコメントを避けた。
中国では裁判が非公開とされることはよくある。スパイ罪が絡むような微妙な事件では通常、詳細はほとんど明らかにされない。
ただし、今回のような重い刑が外国人に宣告されるのは比較的まれだ。
中国では今年7月、スパイ関連法が及ぶ範囲を広げる新たな法律が施行される予定。国家安全保障に関係すると当局が判断したデータの引き渡しが禁止される。
中国高官と会談していたとの報道も
アメリカと中国の報道や記録によると、リャン氏はアメリカで、中国の文化や駐在員の関連組織と深く関わっていたとされる。
香港メディアによると同氏は、台湾をめぐる中国の主張を広める中国平和統一促進会(APPRC)のテキサス支部長を務めていたという。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナルによると、リャン氏は自らの財団「リャン文化交流財団」の会長を務め、中米間で音楽家を交流させていた。頻繁に中国を訪れ、政府高官と会談していたという。
同氏の収監は、中国とアメリカの関係を一段と緊張させる可能性が高い。両国の関係は、2018年に当時のドナルド・トランプ米大統領が対中貿易戦争を仕掛けて以降、トランプ政権下で悪化した。
2つの超大国は、台湾問題、中国の南シナ海での軍事活動、新型コロナウイルスの起源などさまざまな問題をめぐって衝突を続けている。
今年2月には、中国のスパイ気球をアメリカが撃墜したことで緊張が高まった。中国は気球について、気象観測装置だと主張した。






