中国人エンジニア、米航空業界スパイ事件で禁錮8年

ニコラス・ヨン、BBCニュース

Department of Justice seal

画像提供, Reuters

画像説明, 米司法省はスパイ行為が中国の情報機関の指示で行われたとしている

中国が米航空業界の企業秘密を盗み出そうとしたとされる事件がアメリカであり、中国人エンジニアが25日、スパイ行為で禁錮8年の有罪判決を受けた。

米司法省によると、紀超群被告(31)は、アメリカの特定の科学者やエンジニアについて採用の可能性を違法に探っていた。

また、米陸軍の予備役に入隊し、採用担当にうそをついた。

中国の主要な国家情報機関の指示を受け、活動していたという。

紀被告は昨年9月にも、米司法省に通知せずに外国政府の代理人として行動した罪(スパイ事件で適用される)と、米陸軍に虚偽の陳述をした罪で、有罪判決を受けている。

CIAやFBIへの就職も狙ったか

司法省の声明などによると、紀被告は10年前に学生ビザでアメリカに入国した。

今回の事件では、中国江蘇省の国家安全庁(JSSD)に、採用の可能性がある8人に関する情報を提供したとして、米当局に訴追された。

8人は全員、中国や台湾の出身で、米市民権を得ていた。米国防当局の請負業者として働いていた人もいたとされる。

紀被告はまた、アメリカの国益に重要とされる技能を持つ外国人を採用する制度のもと、米陸軍予備役に入隊。申請書と面接で、過去7年以内に外国政府と接触したことはないとうそをついた。

2018年9月、中国国家安全部(MSS)の関係者を装った米潜入捜査官と面会し、逮捕された。

面会の際には、軍の身分証明書があるので、空母を訪れて写真を撮影できると説明していたという。また、米市民権を得てセキュリティー検査を通過したら、中央情報局(CIA)、連邦捜査局(FBI)、航空宇宙局(NASA)のどれかに就職するつもりだと述べたという。

就職できた場合は、サイバーセキュリティーの仕事をし、科学研究を含むすべてのデータベースにアクセスできることを目指していたという。

中国情報当局者の指示で行動か

米当局によると、紀被告はMSSの職員だった徐延軍被告から命令を受けていた。

徐被告は、裁判のためにアメリカに引き渡された初の中国情報機関の職員。ゼネラル・エレクトリック(GE)など米航空・宇宙関連企業から企業秘密を盗もうと企てたとして、昨年、連邦刑務所での禁錮20年の刑が言い渡された。

GEをめぐっては、今月初めにも元社員の鄭小清被告が、同社の機密情報を中国政府に渡したとして、禁錮2年の有罪判決を受けた。

FBIのクリストファー・レイ長官は昨年7月、中国が西側企業の知的財産を「略奪」し、産業発展を加速させ、主要産業の支配を目指していると発言。

これを受けて中国は、レイ氏が「中国を中傷」しており、「冷戦時代の感覚」をもっていると批判した。