ゼレンスキー氏、ウクライナは「ロシア領土を攻撃しない」 独首相と会談

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ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は14日、ドイツを訪問し、オラフ・ショルツ首相と会談した。会談後の共同記者会見で、ウクライナはロシア領内を攻撃するつもりはないと述べた。ドイツ政府は13日に27億ユーロ(約4000億円)相当の大規模軍事支援を表明している。
ゼレンスキー氏はショルツ氏との会談後、「我々はロシアの領土を攻撃していない」と述べた。そのうえで、「我々は不法に制圧された領土を奪還するために反撃の準備をしている」と付け加えた。
ショルツ氏は、「必要な限り」ウクライナを支援していくと約束した。
ドイツ政府が表明した27億ユーロ規模の軍事支援には、先端技術を使ったドイツ製戦車「レオパルト」の供与や、ほぼ連日続くロシアのミサイルやドローンによる攻撃からウクライナを守るための、防空システムの追加供与が含まれる。
ゼレンスキー氏は、ロシアによる「全面的な侵略が始まってから最大規模」のものだと評価した。
ドイツは当初、ウクライナへの軍備供与に消極姿勢だったが、戦争をきっかけに、その立場を一変させ、軍備供与の規模は事実上倍増したと、ベルリンで取材するBBCのジェニー・ヒル記者は指摘する。
ロシアは、ウクライナがロシア領内の標的を繰り返し攻撃していると非難している。今月初めには、モスクワにあるクレムリン(ロシア大統領府)に対するドローン攻撃が報告されており、これについてもウクライナの関与を指摘している。
ウクライナはロシア側の主張を否定している。その一方で、ウクライナには、現在ロシアの支配下にあるウクライナ領土を完全に奪還するために、武力やそのほかの手段を講じる正当な権利があると強調している。ロシアの支配下にあるウクライナ領土には、ロシアが昨年に一方的に「編入」を宣言したウクライナ東部と南部の4州や、2014年に一方的に併合されたクリミア半島が含まれる。
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ウクライナは「欧州の理念を体現」
ゼレンスキー氏は会談後、独西部の都市アーヘンに移動し、同氏とウクライナ国民が今年の受賞者に選ばれたカール大帝賞を授与された。カール大帝賞は欧州統合に貢献した人物に贈られる名誉ある賞。
欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は授賞式で、「ウクライナは信念を貫く勇気、価値観と自由のための戦い、平和と結束へのコミットメントという、欧州の理念のすべてを体現している」と述べた。
過去には、第2次世界大戦中のイギリス首相ウィンストン・チャーチルやローマ教皇フランシスコ、ビル・クリントン元米大統領らが受賞している。
イタリア、フランスも訪問
前日13日にイタリアを訪問したゼレンスキー氏は、夜間にイタリアからドイツへ空路で移動した。ドイツ空軍の戦闘機2機が、大統領の搭乗機を護衛した。
イタリアの首都ローマでは、セルジオ・マッタレッラ大統領やジョルジャ・メローニ首相と会談。また、キリスト教カトリック教会のローマ教皇庁(ヴァチカン)を訪れ、教皇フランシスコと会談した。
教皇は大統領に、自分は絶えず平和のために祈っていると伝えた。
そして、ロシアによるウクライナ侵攻で苦しむ「最も弱く、罪のない被害者」を緊急に支援する必要があると強調した。
メローニ首相は、イタリアは「必要な限り」ウクライナを支援し続けると述べた。
ゼレンスキー氏は14日、ドイツからフランス・パリへ移動。エマニュエル・マクロン大統領との夕食会に臨むためエリゼ宮(大統領府)を訪れた。
14日のそのほかの動き
ウクライナ空軍は、ロシアが発射した無人機25機と巡航ミサイル3発を破壊したと発表した。
地元当局によると、東部ドネツク州のウクライナ支配地域に対するロシアの砲撃で、過去24時間で6人が死亡、16人が負傷したという。
南部ヘルソン州では、ロシアの砲撃で1人が死亡した。
東部ルハンスク州のロシア支配地域では、ウクライナ軍による砲撃の増加により、モバイル・インターネットが一時的に停止していると、ロシア政府が任命した当局者は述べた。









