トランプ氏、手錠かけられない見通しと弁護士 4日に罪状認否

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米ニューヨーク州の大陪審に3月30日に起訴されたドナルド・トランプ前米大統領(76)の罪状認否が、4月4日午後2時15分に設定された。出頭の際、トランプ氏は手錠はかけられない見通しという。米メディアが3月31日に報じた。
BBCがアメリカで提携するCBSニュースは捜査関係者の話として、トランプ氏が3日にも、自宅があるフロリダ州からニューヨークに自家用機で移動し、4日に出頭する予定だと伝えた。
この手続きには数十人、あるいは数百人のシークレット・サービスが関わる可能性が高いと、同関係者は匿名を条件に語った。
また、手錠は逃亡や安全上の恐れがある容疑者にのみ使われるため、トランプ氏には手錠はかけられないと付け加えた。
トランプ氏をめぐっては、2016年大統領選まで2週間を切った時期に、当時の顧問弁護士マイケル・コーエン氏に指示して元ポルノ女優ストーミー・ダニエルズ氏(本名ステファニー・グレゴリー・クリフォード)に13万ドルを支払い、トランプ氏との不倫とされる関係について口止めした疑惑が持ち上がっており、捜査が進められてきた。
検察に起訴を勧告する役割をもつニューヨーク州の大陪審(無作為に選ばれたニューヨーク市民23人で構成)は30日、この問題をめぐりトランプ氏を起訴した。罪状は明らかにしていない。トランプ氏自身も31日、まだ起訴状を読んでいないと述べた。
トランプ氏は不正行為はないと否定している。
アメリカで大統領経験者が刑事責任を問われるのは初めて。
ジョー・バイデン大統領はミシシッピ州に向けてホワイトハウスを出発する際、報道陣からトランプ氏の起訴について質問されたが、コメントを避けた。
トランプ氏の弁護士、「確かなことは何もない」
トランプ氏の弁護士を務めるジョー・タコピナ氏は米ABCニュースに対し、トランプ氏は4日に「おそらく」出廷するだろうが、「確実なことは何もない」と語った。
そして、検察は「この件から、あらゆる宣伝効果を得ようとするだろう」とし、「(前)大統領が手錠をかけられることはない」と付け加えた。
「(検察は)裁判所周辺の区画を封鎖し、裁判所も封鎖するつもりだと、私は理解している」
タコピナ氏は、事件を担当するニューヨーク・マンハッタン地区のアルヴィン・ブラッグ検事について、「(前)大統領とは明らかに異なる政治的見解の持ち主」と呼び、そうした検事がトランプ氏を訴追することは「非常に懸念される事態」だと話した。
トランプ氏の様子を聞かれると、罪状について「まったく心配していない」と答えた上で、「(トランプ氏は)動揺し、怒っている。政治的に迫害されている。このことは、右派だけでなく左派も含め、多くの人にとっても明らかだ」とした。
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裁判所周辺を警備
トランプ氏の出頭に向けた警備は、米連邦捜査局(FBI)やニューヨーク市警、シークレット・サービス、ニューヨーク市の裁判所関係者によって調整が進められている。
複数の情報筋はCBSに対し、これらの機関がトランプ氏や検察官、陪審員、一般市民に対する攻撃など、想定されるシナリオに備えていると語った。マンハッタンの地区検事局は「多くの脅迫」を受けているという。

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31日朝、裁判所周辺の通りは穏やかだったが、週明けの出頭に向けてバリケードが設置されていた。
セキュリティー計画が組まれ、警官が周辺をパトロールしていた。前大統領が現れる際にこの地域は封鎖されるだろうと、多くの人が予想している。
米政治ニュースサイト「ポリティコ」によると、地区検事局は当初、トランプ氏に31日に出頭するよう求めていたが、警備体制を整えるのにさらなる時間が必要との理由から、この要請は却下された。
罪状は
トランプ氏は事業上の詐欺に関連する30以上の罪状に問われていると、メディアは報じている。タコピナ氏は3月30日の時点で、罪状は34件になるのではないかと思うと述べていたが、翌31日には何件になるか分からないとした。
「起訴の対象が何か、起訴の根拠が何か、それは承知している。罪状の正確な数や、どのように罪状が構成されるのは、知らない」と、タコピナ弁護士は話した。
トランプ氏は31日、審理を担当する裁判官を非難し始めた。捜査の信頼性を損ない、自身への支持を集めるためと見られる。
議会下院のケヴィン・マカーシー議長をはじめとする共和党幹部は、マンハッタン地区のブラッグ検事が刑事司法制度を、来年の大統領選挙に影響を与えるための武器にしていると非難している。
トランプ氏を強力に支持するマージョリー・テイラー・グリーン下院議員(ジョージア州選出)は、支持者に抗議を呼びかけ、来週ニューヨークに出向く予定だと述べた。トランプ氏は最近、グリーン氏は上院選に出馬すべきだと発言していた。
これに対しブラッグ検事は、今回の起訴はニューヨーク市民が陪審員になるという市民としての義務を果たす中で決まったことだと強調。前大統領も連邦議会も、この司法手続きを妨害できないと述べた。
米議会警察は全米各地で抗議活動が行われると想定し、議会議事堂の警備強化を計画していると説明した。

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口止め料の支払いを担当したとされるマイケル・コーエン弁護士は2018年12月、選挙資金法違反を含む複数の罪状を認めて有罪となり、禁錮3年の実刑判決を受けた(すでに刑期終了)。トランプ氏は2018年5月、自分の顧問弁護士がポルノ女優に払った口止め料を返済したと認める発言をツイッターでしていた。
コーエン氏は法廷で、「前大統領と調整し、指示を受けて」13万ドルの解決金を支払ったと証言している。コーエン氏は選挙資金法違反など複数の罪状で有罪となり、2018年から2020年まで収監されていた。
こうした事案での金銭の支払い自体は合法だが、トランプ氏はそれを事業費として計上したとされる。事業記録の改ざんはニューヨーク州では違法。ただ、トランプ氏がそれを理由に起訴されたのかは不明。







