トランプ氏、テキサス州で集会 数千人が参加し「祭り」の雰囲気
アンソニー・ザーカー北米担当編集委員(米テキサス州ウェイコ)

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アメリカのドナルド・トランプ前大統領が25日、テキサス州ウェイコの飛行場で大規模集会を開いた。自身が近く逮捕されると前週に発信してから、公の場に姿を見せたのは初めて。自らに関する刑事事件の捜査に怒りをあらわにした。
集会には数千人の支持者が参加。トランプ氏は、ポルノ女優ストーミー・ダニエルズ氏への口止め料の支払いをめぐるニューヨーク当局の捜査をののしった。
トランプ氏は、「ニューヨークの地区検事が、首都ワシントンの『不正省』の指揮で、犯罪でも軽犯罪でも不倫でもないことについて私を捜査している」と批判。ダニエルズ氏のこともけなした。
トランプ氏はまた、私生活や経済活動、仕事上の行為が全面的に「ひっくり返され細かく調べられた」と主張。自らを、「米国史上、最も潔白な男」だとした。
トランプ氏はここ1週間、自らのSNS「トゥルース・ソーシャル」で、起訴されれば「死と破壊」がもたらされるなどと不穏な投稿をしてきた。しかし、晴天の下で開かれたこの日の集会は、そうした暗い演説はなく、2016年大統領選でみられたような「お祭り」に近い雰囲気だった。
トランプ氏の到着前には、支持者らはトランプグッズが売られているテントを歩き回り、「神、銃、そしてトランプ」、「トランプが勝った」などの文字が入ったTシャツを買うなどしていた。


ロックスターのテッド・ニュージェント氏がエレキギターで米国歌を演奏。共和党下院議員のマット・ゲイツ氏(フロリダ州)とマージョリー・テイラー・グリーン氏(ジョージア州)は、トランプ氏の起訴について近く判断する立場の、ニューヨーク市マンハッタン地区検事アルヴィン・ブラッグ氏を強く批判した。
グリーン氏は、「今回の攻撃は司法制度をとんでもない方法で武器化したもので、その目的は2024年大統領選に影響を及ぼすことだ」と主張。「トランプ大統領に対する魔女狩り以外のなにものでもない。彼は全く無実だ」と述べた。

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観衆はブラッグ地区検事の名前が出ると、いくらかブーイングを発した。だが、捜査を気にしている人は多くはないようだった。トランプ陣営はこの日の聴衆について、1万5000人に達すると予想していた。
テキサス州ダラス近郊の町ミッドロシアンに住むデビー・ハーヴィー氏は、「ネガティブな話は聞きたくない」と話した。「起訴されないことを祈っている。神はまだ、祈りに答えてくれる」。
会場近くのカッパラス・コーブ市に住むブライアン・ノヴィー氏は、「大したこととは思えない」と言った。「当局はそもそも起訴すべきか悩んでいるようだ」。
両氏と、ノヴィー氏の友人のリチャード・ターナー氏は、「トランプがテキサスに来た。私はその場にいたが、あなたはどこにいた?」と文字が入った記念Tシャツを買っていた。3人ともトランプ氏の集会は初めてで、2024年の共和党予備選ではトランプ氏を支持し続けると話した。
ターナー氏はトランプ氏について、「仕事をやり遂げられる」と評価。最も強力なライバルと目されているフロリダ州のロン・デサンティス知事については、全米レベルで力を発揮できるのかまだ証明されていないと述べた。
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多くのメディアやトランプ氏に批判的な人々は、トランプ氏が2024年大統領選に向けた最初の大規模集会をウェイコで開くことに対し疑問を呈した。同市では30年前、カルト教団ブランチ・ダヴィディアンと連邦・州当局の間で銃撃戦が発生し86人が死亡。この事件は反政府運動を勢いづかせた。

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テキサス州のダン・パトリック副知事は、この日の集会とかつての事件につながりがあるとするのは「フェイクニュース」だとし、「私がウェイコを選んだ」と聴衆に説明した。
「大統領から数週間前に電話があり、『テキサスに行く。素晴らしい町を選んでほしい』と言われた」
トランプ氏はこの日の会場に、専用の飛行機「トランプ・フォース・ワン」の新型機で到着した。スピーカーからは、映画「トップガン」でヒット曲となった「デンジャー・ゾーン」が大音量で流れていた。ステージ上ではアーティストが、しかめっ面のトランプ氏の肖像画を描いた。
この作品は、トランプ氏が登場したときの雰囲気を的確に予想するものとなった。トランプ氏は集会で、自らの実績を強調し、大統領に当選すればアメリカは明るくなると約束した。しかし、同氏がいま最も気にしているのは、法的トラブルと逮捕の可能性であることは明らかだった。








