ウクライナ各地で砲撃続く 第2の都市ハルキウでは停電

画像提供, DSNS-Ukraine
ロシアがウクライナ各地の電力インフラを攻撃し続ける中、同国第2の都市ハルキウでは16日、4時間にわたって停電となった。
ウクライナ当局によると、ロシア軍が発射した76発のミサイルが、全国9カ所の電力施設に直撃した。また、ドローンによる攻撃も行われたという。
ハルキウ市在住のアナスタシアさんはBBCの取材に対し、空爆は16日の朝に始まったと話した。
「数分もしないうちに、電球が点滅し始めた。その10秒後には停電して、何も動かなくなり、それで終わりだった」
「市が停電すれば水道施設のポンプも動かないので、水も止まった。なので実際のところは電気も水もない状態だ」
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ロシアは10月10日以降、1000発以上のミサイルと、イラン製ドローンを使った攻撃を繰り返しているが、その多くは防空システムに迎撃されている。11月半ばに行われた大規模な攻撃には、100発以上のミサイルとドローンが使われた。
この日はウクライナ全土に警報が発令された。軍総司令官のヴァレリー・ザルジニー大将は、発射された76発のミサイルのうち60発を迎撃したと発表した。その大半が巡航ミサイルだったという。
ウクライナは、ロシアが気温が零下になるこの時期に主要インフラを攻撃し、「冬を兵器化」していると非難している。
北東部ハルキウ州当局のトップを務めるオレグ・シネグボフ氏は、夕方までにハルキウ市では55%、州では85%の電力が復旧したと説明した。また、深夜までの全面復旧のため、エネルギー業界のスタッフが動いていると述べた。
しかしウクライナの国営電力会社ウクルエネルゴは、損害の規模からすると、電力の復旧にはそれ以上の時間がかかる可能性があると警告している。
ウクエネルゴは声明で、直近の攻撃によってエネルギー供給能力の半分が失われたと指摘。「病院や水道施設、暖房供給施設、下水施設といった主要インフラ」を優先することになると述べた。
国防省のユリイ・サク顧問はBBCの取材で、緊急隊が電力復旧に動いているが、状況は「なお厳しい」と話した。ロシアの度重なる攻撃により、復旧作業はより難しくなっている。
首都キーウでは地下鉄が停止、死者の出た地域も
首都キーウ当局によると、同市に向けてだけでも40発のミサイルが発射された。これは、2月24日の侵攻開始以来でも最大規模の攻撃だ。当局は、このうち37発を防空システムで迎撃したとしている。
ヴィタリ・クリチェンコ市長は、市内の複数施設が攻撃されたと説明。エネルギー・インフラへの攻撃によって水道に影響が出ているほか、地下鉄が動かなくなったと説明した。
キーウ在住のオクサナさん(42)は、「とてもストレスがたまるが、今では慣れてしまった」と話した。
「でも子供たちにはこんな状況で、地下やシェルターの中で暮らしてほしくない」
このほか、国境に近い北東部スーミや、中部ポルタヴァ、クレメンチュクなども攻撃された。

画像提供, Kherson prosecutor's office
南部の都市クリヴィー・リフではアパートが攻撃され3人が死亡、13人が負傷。ヘルソンでも1人が亡くなった。
南部ザポリッジャには、15発のミサイルが撃ち込まれたと報じられている。
一方、親ロ・分離派が占領している東部ドンバス地方当局は、ウクライナ軍がルハンスクの町や村を空爆したと批判した。死者などの詳細は事実確認ができていない。


EUが追加制裁を発表
欧州連合(EU)はこの日、9回目となる対ロ制裁を発表した。200人近い個人と組織が、資産凍結と渡航禁止措置を受けた。
制裁対象には、子供の権利保護政策局のトップ、ラリサ・ファルコフスカヤ氏も含まれる。同氏は、「ウクライナの子供のロシアへの不法移送、とロシア人家庭による養子縁組」を行ったとして非難されている。
また、ロシアの地方トップらも制裁対象となった。EUはこれらの高官についても、侵攻開始以来2000人以上のウクライナの子どもたちの強制移送と養子縁組に関与してきたとしている。
ウクライナは強制移送について、戦時に関する国際法のジュネーヴ諸条約が第49条で戦争犯罪と定めているものだと批判している。







