トランプ氏一族企業に有罪評決、脱税などすべての罪状で ニューヨーク州地裁

Court sketch of Judge Juan Merchan

画像提供, Reuters

画像説明, 検察側はトランプ・オーガナイゼーションには「詐欺と欺瞞(ぎまん)の文化」があると非難した

ドナルド・トランプ前米大統領の一族が経営する「トランプ・オーガナイゼーション」が脱税などの罪で起訴された事件で、ニューヨーク州の裁判所の陪審は6日、全ての罪で有罪とする評決を下した。

トランプ前大統領は有罪評決について「失望した」、「魔女狩りだ」と述べ、上訴する方針を明らかにした。

トランプ・オーガナイゼーションは、幹部らが10年間以上にわたり、高級車や学費などの支払いに対する手当を受けることで、当局の目の届かない形で脱税をしていたとして有罪評決を受けた。

同社は約160万ドル(約2億2000万円)の罰金を科せられる可能性がある。今後、融資の確保や資金調達が困難になる可能性もある。

トランプ氏は以前、同社をめぐる裁判について、政治的動機によるものだと批判していた。また、同社で長年財務トップを務めてきたアレン・ワイセルバーグ被告(75)が8月に詐欺と脱税疑惑について有罪を認め、事業に不利な証言をしたことから、ワイセルバーグ被告を非難していた。

トランプ氏は最新の声明で、トランプ・オーガナイゼーションがなぜワイセルバーグ被告の「個人的行為」である「個人の納税申告による税金詐欺」について起訴されなければならないのかと述べ、有罪評決を非難。

「この(税金絡みの)処理では、当時、評価も料金も高かった会計事務所と法律事務所に、私たちは信頼を寄せていた」とした。

トランプ氏はまた、「前代未聞の事件であり(中略)この国史上、最大の政治的魔女狩りが続いていることを示している」とし、ニューヨーク市はいまや「トランプ一族の一員として生活するには難しい場所」となったと付け加えた。

「詐欺と欺瞞の文化」

検察側は6週間に及んだ裁判で、世界中でホテルやゴルフ場などを運営するトランプ・オーガナイゼーションには「詐欺と欺瞞(ぎまん)の文化」があると非難した。

一部の幹部の「報酬を控えめに」みせることで「本来支払うべき額よりも大幅に税金が少なくなる」ような仕組みを取り入れていたとした。

トランプ・オーガナイゼーションの子会社「トランプ・コーポレーション」と「トランプ・ペイロール・コーポレーション」は、税金詐欺や業務記録の改ざんなど17件のすべてで有罪評決を受けた。

マンハッタン地区検察のアルヴィン・ブラッグ検事は6日、この事件は「強欲と不正行為に関するもの」だとし、評決を称賛した。

「トランプ・コーポレーションとトランプ・ペイロール・コーポレーションは13年間、上級幹部にぜいたくな特典や報酬を与えながら、その恩恵を税務当局から意図的に隠すという仕組みで(課税から)逃れていた」

Trump Organization former chief financial officer Allen Weisselberg looks on as then-U.S. Republican presidential candidate Donald Trump speaks

画像提供, Reuters

画像説明, トランプ・オーガナイゼーションで長年財務トップを務めてきたアレン・ワイセルバーグ被告(右)

トランプ・オーガナイゼーションで長年財務トップを務めてきたワイセルバーグ被告は、ライカーズ島刑務所での禁錮5カ月に加え、脱税額170万ドル(約2億3200万円)の返還を求められている。

トランプ氏と長男ドナルド・ジュニア氏、長女イヴァンカ氏、次男エリック氏は別の民事訴訟に直面している。

この民事訴訟を指揮するニューヨーク州のレティシア・ジェイムズ州司法長官は、6日の有罪評決は「大きな勝利」だとする声明を発表した。

「私腹を肥やすためにこの国の法律に違反すれば、我々が個人や組織に責任を負わせるということを示すものだ」