トランプ邸の家宅捜索後、政府機関への脅迫増加 FBIが警戒呼びかけ

画像提供, Reuters
米連邦捜査局(FBI)と国土安全保障省(DHS)が、ドナルド・トランプ前米大統領がフロリダ州パームビーチに所有する私邸「マール・ア・ラーゴ」を家宅捜索して以降、法執行機関に対する暴力的な脅迫が増加しているとして、全国各地の法執行機関に警戒を呼びかけていたことがわかった。
FBIとDHSが12日に出したメモによると、「ソーシャルメディア上で、連邦政府職員に対する暴力的な脅迫の投稿が増加」しているという。
メモはまた、「法執行機関や裁判所、政府関係者には確実に、さまざまな脅威や犯罪・暴力事件を認識してもらいたいと、FBIとDHSは考えている」としている。BBCがアメリカで提携するCBSニュースをはじめとする米メディアが、こうした記述を確認した。
脅迫の中には「標的や戦術あるいは武器が具体的に示されている」ものや、捜索を許可した裁判官について言及するものもあるという。
このメモは12日遅くに発信された。米オハイオ州シンシナティにあるFBIの支局に武装した男が侵入しようとし、警察に射殺された事件についても記している。
この事件の容疑者は事件が起きる数時間前、トランプ氏が持つソーシャルメディア「トルース・ソーシャル」に、連邦捜査官に対する殺意を投稿していたとされる。
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FBIは8日にトランプ氏の自宅を家宅捜索した。アメリカの大統領経験者の自宅が刑事捜査の一環として強制捜査されたのは、今回が初めて。
捜索令状は後に開示され、押収品リストによると、「トップシークレット(最高機密)」を含む11組の機密文書などが押収された。トランプ氏は不正行為を否定している。
ニューヨークの元FBI捜査官ジェフリー・リンゲル氏は、多くの脅迫が「虚勢」であることが証明されているとはいえ、関係機関のスタッフに大きな影響を与える可能性は残っていると、BBCに語った。
「常に不安でビクビクしていることになる」と、リンゲル氏は言う。脅迫があると、何が起こるかわからないという恐怖感から、自分がやっていることをやめてしまう。『もし起きてしまったら?』と考えてしまうからだ」
FBIで副法務顧問として働いた経験があるマリオン・ボウマン氏は、「FBIは社会的評価が高いし、職員は良いことをしたいと思うからこそ、そこで働いている」と語った。「いまそこで働く人たちにとっては、やる気をかなりそがれる出来事に違いない」。
家宅捜索に共和党議員らが反発
トランプ氏の自宅の家宅捜索は、政府記録をホワイトハウスからマール・ア・ラーゴに持ち出し、機密情報を不適切に取り扱っていた疑いの捜査の一環として実施された。
家宅捜索はトランプ氏の盟友や共和党議員らの反発を招いている。捜索につながった宣誓供述書を公にするよう求める声も上がっている。
共和党のマイク・ラウンズ上院議員は14日、米NBCに対し、「宣誓供述書を公開すれば少なくともこの捜査が正当であることを示す理由を確認できると思う」と述べた。
「司法省はこれが単なる情報の探り出しではなく、踏み込んで行う正当な理由があったことや、ほかのあらゆる手段を尽くしたことを示すべきだ」
司法省は、捜査の必要性を裁判官に納得させるために使用した宣誓供述書の公開を求めていない。それらの文書からは、捜査官がトランプ氏による犯罪行為を疑うに至った経緯について、より詳細な情報を得られる。
一方、捜索令状は、検察官が犯罪が行われたと信じるに足る十分な理由があると主張したうえで、裁判官が承認したもの。
通常、捜査中は令状が開示されないため、今回は極めて異例な対応だったといえる。
ただ、メリック・ガーランド司法長官は11日、トランプ邸への家宅捜索が「国民の重大な関心事」だとして、裁判所に開示を求めたことを明らかにした。
捜索令状などはその後に開示され、トランプ氏にかけられている3つの犯罪容疑と、押収品の中身が明らかになった。
捜査を受けてトランプ氏が不正行為で訴追されるかどうかは不透明なままだ。











