トラス首相辞任で英保守党、またも党首選へ 4カ月で2回目
イギリスのリズ・トラス首相が20日、辞任すると表明したことで、ここ4カ月で2回目となる与党・保守党の党首選が行われることになった。
トラス氏は、打ち出した減税策の多くを撤回するなど混乱を招き、身内の保守党議員からも辞任を迫られ、政権の座を降りることになった。就任からわずか45日での辞任表明だった。トラス氏は史上最も在任期間の短い英首相となる見通し。
トラス氏は後任について、来週中に保守党の党首が選出され、チャールズ国王から首相に任命されると説明した。それまでは、同氏が首相を務めると述べた。
後継候補には、ボリス・ジョンソン前首相の名前も取り沙汰されている。複数の保守党関係者がBBCに語ったところでは、ジェイコブ・リース=モグ・ビジネス相が同僚議員らに、ジョンソン氏への支持を働きかけているという。
トラス政権の財務相に先週就任したばかりのジェレミー・ハント氏は、立候補を否定している。
前回の党首選をトラス氏と争った下院議員らはいずれも、立候補について態度を明らかにしていない。それらの議員には、スエラ・ブラヴァマン前内相、ケミ・ベイドノック国際貿易相、ペニー・モーダント下院院内総務、リシ・スーナク元財務相が含まれる。
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新首相はどう決まる
保守党の党首選を取り仕切る1922年委員会のグレアム・ブレイディー委員長は、来週金曜日(28日)までに新党首が選出される可能性があると述べた。
同党の規則では、党首選に立候補するには下院議員100人の推薦が必要。同党の下院議員は357人なので、候補者は最大で3人となる。
候補が3人の場合は、下院議員による1回目の投票が開かれ、得票数が最も少ない候補が除外される。
2回目の投票で、下院議員はどちらの候補を支持するか示すことができる。
この後、いずれの候補も党首選を戦い続けることを選んだ場合、党員によるオンライン投票を経て勝者が決まる。

トラス氏の後継者探しを急ぐ保守党では、党内に深い分裂が生じている。過去12年間政権を担ってきたが、世論調査の支持率では最大野党の労働党にリードされている。
今年夏にあった党首選に立候補した下院議員らは、それぞれの支持者から、後継者として名前が挙げられている。ただ、本人たちはまだ誰も立候補を表明していない。
ジョンソン前首相も立候補を決めてはいない。一方で支持者らは、ジョンソン氏が再び党首選を戦うことを検討しているとの報道を否定していない。
テリーザ・メイ元首相は、「下院議員たちは妥協に備えなければならない」とツイート。
「私たちの国にとって重要なこの時期に、賢明で有能な政府をつくるのが私たちの責務だ」とした。
野党は総選挙を主張
野党は、総選挙を行わずに新たな首相を就任させるという保守党の計画を、強く非難している。
労働党のキア・スターマー党首は、保守党には「もはや政権を握ることへの国民の負託がない」と主張。「イギリス国民には、この混乱の回転ドアよりずっといいものがあるべきだ」と述べた。
スコットランド自治政府のニコラ・スタージョン第一首相は、総選挙を行うことが「民主主義として必須」だと述べた。
野党・自由民主党のエド・デイヴィー党首は、「国民が発言権を得るために必要な総選挙を実施する」ためであれば、労働党と協力するつもりだと話した。
総選挙は、早くても2024年までは行われない予定だ。前回2019年の総選挙では、保守党が地滑り的な勝利を収め、議席の過半数を獲得した。
一方、自由民主党はトラス氏に対し、首相経験者が受け取ることができる年間最大11万5000ポンド(約1940万円)相当の「公務費用手当」を辞退するよう求めている。同手当は、「公人としての特別な立場から生じる事務費用や秘書費用」を支援するのが目的とされる。
自由民主党のクリスティン・ジャーディーン議員は、「リズ・トラスは『50日首相』として永遠に知られることになる。最近の前任者たちは全員2年を大きく超えて在任したが、その人たちと同じ年11万5000ポンドの終身手当を、彼女が得られていいはずがない」と述べた。












