イギリスの新財務相、トラス首相の減税策の「ほとんどを中止」

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政府の減税策をめぐり混乱が続くイギリスで17日、ジェレミー・ハント新財務相は、リス・トラス首相による減税策のほとんどを撤回した。

9月6日に就任したトラス首相は、新政権の目玉政策として発表した大型減税策「ミニ・バジェット」をめぐり市場が混乱し、内外から批判を浴びたのを受け、今月14日にわずか在任38日で財務相を交代させた。

財務相交代前にトラス政権はすでに、大型減税策の要だった所得税率45%撤廃案を撤回。14日にはさらに、法人税引き上げの中止を撤回すると発表した。ボリス・ジョンソン前政権が決めた法人税引き上げを、自分は取りやめると、トラス氏は保守党党首選から公約していた。

これに加えてハント新財務相は17日、減税策のほとんどを取りやめると発表。所得税の基本税率引き下げや酒税の税率凍結をやめ、外国からの訪問者が付加価値税(VAT)免税で買い物ができる免税制度の復活も中止するとした。

このほかハント氏は、エネルギー価格急騰への対策として、前任者のクワジ・クワーテング氏が発表した平均家庭の光熱費上限保証(年間2万5000ドル、約40万円)についても、むこう2年間は継続するという当初予定を変更し、来年4月までとした。

さらに、トラス首相が「絶対にやらない」と言明していた公的支出の削減についても、ハント氏は取り組む構えを示している。

トラス政権は、通常の予算発表の際には必ず行われる予算責任局(OBR)の事前評価を経ないまま、今回の減税策を発表。その内容に市場が大きく動揺し、ポンドが急落。長期国債を中心に金利が急上昇し、イングランド銀行(中央銀行)が一時的に買い支える事態となった。

こうした一連の混乱について、BBCのクリス・メイソン政治編集長が解説する。