ウクライナ各地で停電と断水続く ロシア軍によるインフラ攻撃で

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ウクライナ当局は18日、ここ数日間のロシア軍による大規模攻撃の影響で、ウクライナ各地の1000以上の町や村で停電が続いていると発表した。
ウクライナの発表によると、南部ミコライウで18日、ロシア軍のミサイル攻撃があった。ロシアの地対空ミサイル「S-300」が住宅を直撃し、1人が死亡したという。市内の花市場も破壊された。
ウクライナ国家非常事態庁のオレクサンドル・ホルンジー報道官は、今月7日以降、70人以上がロケット弾とドローンによる攻撃で死亡したと明らかにした。
「10月7日から18日までの間に、エネルギー施設に対する砲撃により11州の約4000の集落が(エネルギー供給から)寸断された」と、ホルンジー氏は首都キーウで行われたブリーフィングで述べた。
「エネルギー省によると、現在、1162の集落で停電が続いている」
ウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、過去8日間でウクライナの発電所の30%が破壊されたとしている。
キーウでは18日に新たな攻撃があり、一部地域で停電と断水が起きている。
キーウのヴィタリ・クリチコ市長は、今回のロシアの攻撃で「重要インフラ」の従業員3人が犠牲になったと発表。市内の2つの施設が攻撃されたと付け加えた。
キーウの西に位置するジトーミルでも停電と断水が起きた。南東部の街ドニプロではエネルギー施設1カ所が攻撃を受けた。
「厳しい冬への備えを」
戦場で手痛い敗北を喫した後、ロシア軍はここ数週間で前線から離れた都市の電力インフラに対する攻撃を強化している。
ウクライナの緊急事態当局はインフラの損傷の修復を急いでいる。ただ、冬が迫る中で起きた今回の攻撃により、その対応への懸念が高まっている。
ウクライナ大統領府のキリロ・ティモシェンコ副長官は、「誰もが備える必要がある。第一に節電だ。第二に、攻撃が続けば計画停電もあり得る」と述べた。
「国民全体が厳しい冬に備える必要がある」
国民は現在、午前7時から午前9時までの間と、午後5時から午後10時までの間の電気製品の使用を控えるよう求められている。
民間インフラへの攻撃強める
「我々は、ロシアが秋に向けてエネルギーインフラや民間インフラに対する攻撃を強化し、市街戦が激化すると予想していたが、まさにそのシナリオが現実のものとなった」と、ウクライナ議会のレシア・ヴァシレンコ議員はBBCに述べた。
イギリスの国防情報当局は最新の評価の中で、ロシアは自軍が戦場で後退せざるを得なくなって以降、軍事的目標物に加えて民間インフラを攻撃する意思を強めている可能性が高いと指摘した。
ロシアのミサイルやドローン攻撃を受けて、ウクライナ政府は防空ミサイルの提供をあらためて求めている。

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キーウでは前日17日にも、イランからロシアに提供されたとみられる、いわゆる「神風ドローン」による攻撃があったばかり。北東部スーミ州でも同様の攻撃があり、少なくとも合わせて9人が死亡した。
18日の攻撃にドローンがどの程度使われていたのかは、今のところ分かっていない。
18日の各地の状況
ジトーミルの市長は、市内では停電と断水が発生し、病院はバックアップ電源で対応していると話した。
当局によると、ジトーミル州内の11の村でも電気が止まった。
大規模なエネルギー施設が破壊されたドニプロでは、電気と水の供給が遮断された。当局は街灯の明かりを消す方針だとした。
北東部の街ハルキウでは砲撃があったと報じられた。
南部の街ザポリッジャではインフラが攻撃をうけたが、地元当局は人的被害はないとしている。
一部の都市では、人々が発電機やガスバーナーを購入している。複数の町ではすでに計画停電が実施されている。
こうした中、ウクライナ原子力発電公社エネルゴアトムは、ロシア軍がザポリッジャ原子力発電所の責任者2人を拉致したと非難した。
欧州最大のザポリッジャ原発は、ウクライナ侵攻開始直後にロシア軍に占拠されたが、現在も困難な状況下でウクライナ人スタッフが稼働を続けている。

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イラン製ドローンを提供か
アメリカ国務省は17日、イランがいわゆる「神風ドローン」をロシアに提供していることが国連決議に違反しているという見解で西側同盟国と一致したと発表した。
米国務省は、このドローンがイランの核問題に関する国連安全保障理事会決議第2231号に違反しているとするフランスとイギリスの分析に、アメリカも同意するとした。この決議ではイランに対し、特定の軍事技術の移動を禁じている。
ウクライナはキーウとスーミへの攻撃で使用されたドローンを、イラン製の「シャヘド136」だと特定している。ロシアでは「ゲラン2」として知られる。
攻撃後に帰還する他のドローンとは異なり、目標物に飛び込んで爆発することから神風ドローンと呼ばれている。
米国務省のヴェダント・パテル報道官は、「アメリカは制裁をためらわないだろう」と警告した。
欧州連合(EU)のジョセップ・ボレル外務・安全保障政策上級代表は、EUもイラン製ドローンの「証拠を集め」を行っており、行動に出る準備ができていると発言。対イラン制裁の強化を示唆した。
ロシアとイランの両政府はイラン製ドローンが配備されたことを否定している。
しかし、ウクライナの西側当局者は、ドローンがイランから提供されたことは疑いの余地がないとし、ロシアが電力網を攻撃しようとしているのは明らかだと指摘した。
ウクライナのドミトロ・クレバ外相は、ゼレンスキー大統領にイラン政府との外交関係を断つよう要請すると述べた。また、防空物資の即時提供を求める公式文書をイスラエルに送る方針だとした。
イスラエル当局はこれまでのところ、ウクライナ政府への武器提供を停止している。ロシアのドミトリー・メドヴェージェフ前大統領は、もし武器の提供があればイスラエルとロシアの関係は破壊されるだろうと警告している。








