NATO各国、ウクライナへの軍事支援強化へ 防空システムなど提供

Germany's IRIS-T SLM aid defence system

画像提供, General Staff of Ukraine's Armed Forces

画像説明, ドイツの防空システム「IRIS-T SLM」。ウクライナ軍によると、すでに第1弾の提供分がウクライナに運び込まれているという

北大西洋条約機構(NATO)加盟国を中心とする西側諸国は12日、同盟関係にあるウクライナに最新の防空兵器を提供すると発表した。ロシアのミサイル攻撃が相次いでいることへの対応。

NATO本部(ベルギー・ブリュッセル)ではこの日から、ウクライナを支援する50カ国の会合が開かれている。ウクライナは「歴史的」なトップ会合だとして、歓迎している。

今回の兵器提供は、イギリス、カナダ、フランス、オランダが公約した。アメリカもこれまでに、同様の約束をしている。ドイツからはすでに、ハイテク防空システムがウクライナに運び込まれている。

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は数カ月前から、「空の盾」を作るとして、防空システムの提供を同盟国に求めていた。

ゼレンスキー氏は12日夜のビデオ演説で、「ロシアのテロが大胆で残酷になればなるほど、この時代のヨーロッパにとってウクライナの空を守る支援が、最重要の人道行為の1つなのだと、世界にとってますます明白になる」と訴えた。

一方、ロシアはウクライナの同盟国に対し、最新兵器を提供しないよう繰り返し警告している。提供した場合、戦争の当事国になると強調している。

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Presentational white space

ウクライナ当局によると、ロシアは10、11の両日、ミサイル計100発以上を発射。ドローン数十機と合わせて、エネルギーのインフラや非軍事施設を攻撃した。死者は10日だけで少なくとも19人に上った。国内各地で停電と断水が発生し、首都キーウでは電力が配給制になった。

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領はこの攻撃について、同国本土とクリミア半島を結ぶ重要な橋が8日に攻撃されたことへの報復だとしている。ロシアは、ウクライナの情報機関が橋での爆発を仕組んだとしているが、ウクライナは否定している。

西側各国はロシアについて、戦場で敗退が続くだけに、核兵器の使用をちらつかせて威嚇しているのだと非難している。

英米の支援表明

イギリスは、ウクライナの情報収集と後方支援の能力を増すため、今回約束した防空ミサイルに加え、数百機のドローンも提供する。また、ハウィツァー榴弾(りゅうだん)砲18門を、すでに納入した64門に上乗せして送る。

ベン・ウォレス英国防相は、「ロシアが新たに、ウクライナの民間地域を無差別に攻撃しているため、自国防衛に努める人々への支援強化が必要だ」と主張。

「提供する兵器は、ウクライナの空を攻撃から守り、ミサイル防衛全般を強化するだろう」と、国防相は述べた。

アメリカのロイド・オースティン国防長官は、12日のNATO本部での会合後、「(ウクライナが)力を発揮するために必要なものを手にできるよう、できる限りのことをしていく」と話した。

フランスやオランダなども

フランスのエマニュエル・マクロン大統領は、ウクライナに防空システムを提供すると、フランス2テレビのインタビューで述べた。どのシステムを送るかは明らかにしなかったが、敵のドローンから住民を守るのが主な目的だとした。

オランダは、1500万ユーロ(約21億円)相当の防空ミサイルを提供すると表明。カイサ・オロングレン国防相は、「ウクライナとその国民への絶え間ない支援こそ(ロシアの攻撃に対して)必要だ」と述べた。

カナダは、衛星通信やドローンカメラなど4700万カナダドル(約50億円)超の軍事支援を約束した。

ウクライナ軍は12日、「最新鋭のIRIS-T SLM防空システムが、ドイツからウクライナに届いた」と発表。「テロから」国を守るのに役立つとした。