金正恩氏、核抑止力使う「準備できている」

North Korea's leader Kim Jong Un speaks during a ceremony to mark the 69th anniversary of the Korean War armistice, in Pyongyang, North Korea, in this photo released July 27, 2022 by North Korea's Korean Central News Agency (KCNA). KCNA via REUTERS

画像提供, Reuters

画像説明, 北朝鮮・平壌で開かれた「戦勝記念日」の祝賀式典で演説した金正恩総書記(27日)

北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記は27日、核戦争の抑止力を動員する準備ができていると主張した。同国の核兵器が使える状態だと示唆したとみられる。

国営の朝鮮中央通信(KCNA)によると、金氏はこの日、朝鮮戦争「戦勝記念日」の行事で演説。北朝鮮はアメリカとの「いかなる軍事的衝突にも完全に準備ができている」と述べた。

北朝鮮の核兵器をめぐっては、7回目の核実験が準備されているとの懸念が生じている。アメリカは先月、北朝鮮がいつ核実験をしても不思議ではないと警告した。北朝鮮が最後に核実験をしたのは2017年

「自衛力強化」の必要性を強調

金氏はまた、アメリカの核の脅威にさらされている北朝鮮は、自衛力の強化という「喫緊の歴史的課題」を達成する必要があると主張。

北朝鮮の定期的な軍事演習を、アメリカは挑発行為だと誤って伝えているとも述べた。

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金氏はさらに、韓国が北朝鮮に先制攻撃を仕掛ける「キル・チェーン」戦略を復活させようとしているとの報道についても言及したもよう。

韓国が先制攻撃をすれば、尹錫烈(ユン・ソンニョル)大統領の政府と軍隊は「全滅する」ことになると、金氏は述べた。

「キル・チェーン」と呼ばれる戦略は、10年前に初めて策定された。北朝鮮の核の脅威に対抗するため、韓国は攻撃が差し迫った場合、北朝鮮のミサイル施設や、場合によっては指導層に対し、先制攻撃が必要だとしている。

アナリストの一部は、この戦略にはリスクがあり、軍拡競争に拍車をかけると警告している。

ミサイル発射実験も過去最多

アメリカのソン・キム北朝鮮担当特別代表によると、北朝鮮は今年これまでに、31回という前例のない回数のミサイル発射実験を実施。過去最高だった2019年の25回をすでに上回っている。

一方、韓国は6月に、8発のミサイル発射実験を行い、これに応じた。

1950年に始まった朝鮮戦争は、1953年に休戦協定が締結された。北朝鮮はこれを、アメリカへの勝利だと主張している。毎年7月27日に行われる「戦勝記念日」の祝賀行事では、軍事パレードや花火、ダンスなどが行われる。

北朝鮮は「戦争の瀬戸際」にるのか――ルーパート・ウィングフィールド=ヘイズ、BBCニュース

朝鮮半島が「戦争の瀬戸際」にあるという金正恩氏の警告は、極めて恐ろしく聞こえる。しかし、北朝鮮の発言は、重要な記念日では特に、激しくなりがちだ。

今回の発言が示すのは、北朝鮮の政権が韓国の尹錫烈・新大統領に対して、どれほど怒っているかだ。

尹氏は5月の就任以来、より積極的な防衛政策を打ち出している。北朝鮮の核攻撃の脅威が差し迫っていると判断した場合、先制攻撃も可能だとしている。

この「キル・チェーン」戦略は、韓国が弾道ミサイルの先制発射や空爆によって、北朝鮮の指揮統制機構を破壊することも可能にする。言い換えれば、金氏本人を殺そうとするものだ。

北朝鮮はまた、アメリカの大統領がドナルド・トランプ氏からジョー・バイデン氏に変わって以来、米政府が北朝鮮に関与しようとしないことに不満を強めている。

こうした諸々は、北朝鮮によるある種の意図的なエスカレーションに、世界が直面する方向に進んでいることを示唆しているのかもしれない。

北朝鮮が7回目の地下核実験を実施することを、今は誰もが予想している。豊渓里(プンゲリ)の核実験場では、3月から準備が進められている。