英与党・保守党の院内副幹事長、会員制クラブでの痴漢行為で辞任

Chris Pincher

画像提供, PA Media

画像説明, 院内副幹事長を辞任したクリス・ピンチャー議員

英保守党のクリス・ピンチャー院内副幹事長が6月30日、同職を辞任した。英タブロイド紙サンなどが、会員制クラブで男性2人に痴漢したと報じたため。

ボリス・ジョンソン首相への辞表の中でピンチャー議員は、アルコール飲料を「あまりに飲みすぎて」、「自分や他の人に恥ずかしい思いをさせた」と説明した。

BBCが取材した目撃者によると、ピンチャー氏は29日の夜に保守党の会員制クラブ「カールトン・クラブ」にいたが、「泥酔していた」という。

一方で首相官邸筋は、現状では同氏が党からこれ以上の処分を受けることはなく、保守党議員の立場は変わらないだろうと語った。

サン紙によると、ピンチャー氏はカールトン・クラブで飲んでいる時に2人の男性客を襲った。その後、事態を懸念した保守党議員らが、同党の幹事事務所にピンチャー氏の振る舞いを報告したという。

BBCの取材では、クラブ内のバーカウンターのある小さな部屋には当時、議員や閣僚、クラブの職員、公務員など十数人がいた。

BBCはピンチャー氏本人のほか、保守党と幹事事務所にもコメントを求めている。

院内幹事は、議員が議会で党議に沿って投票するよう取りまとめる役職。

あまりに飲みすぎた」

ピンチャー氏の辞表は、「私は昨晩、あまりに飲みすぎました」という一文から始まっている。

「この状況下では、副幹事長を辞任することが正しい行動だと思います。あなた(ジョンソン首相)や私のせいで動揺している人々のために、そうする義務があります」

また、「今後も平議員の議席からジョンソン政権を全面的に支持する」と述べた上で、「女王の内閣に仕えられたことは私の人生の名誉でした」と語った。

首相官邸高官はピンチャー氏について、忠実な保守党員で、自分の行動が問題のあるものだったと自覚していると話した。

Chris Pincher's resignation letter
画像説明, クリス・ピンチャー氏の辞表

ピンチャー氏は2017年にも、ボート競技の元オリンピック選手で保守派活動家のアレックス・ストーリー氏に不適切に言い寄ったとされ、院内幹事を辞任した経緯がある。しかしその後の党内調査では、党の行動規範には違反していないとされた。

ピンチャー氏は2010年に北部タムワースで初当選し、テリーザ・メイ前首相の下で内閣に関わった。ジョンソン政権では外務省やレベリング・アップ(平準化、地域活性化)担当省の政務官を務めた後、2022年2月から院内幹事に就任した。

相次ぐ行動規範違反での議員辞任

保守党ではこの数カ月、議員が行動規範違反で辞任する例が相次いでいる。

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4月には、ニール・パリッシュ前議員が下院でポルノを見ていたことが発覚し辞任。昨年11月にはオウエン・パターソン前議員も、ロビー活動で規則に違反していたとの調査結果を受け、辞任している。

最大野党・労働党のアンジェラ・レイナー副党首は、ジョンソン首相に対し、ピンチャー氏がなぜ幹事職を与えられたのか、なぜ議員のままででいられるのかという「重大な疑問」に応えるべきだと指摘した。

レイナー氏はさらに、「性的暴行かもしれないものを、保守党がごまかそうとしていることに疑問の余地はない」と批判。「保守党はあまりに不正とスキャンダルだらけで、イギリス国民が直面する課題に取り組むことが全くできていない」と述べた。