突入しない警察対応は判断誤った=テキサス州の治安幹部 米小学校乱射

Texas Department of Public Safety Director Steven McCraw

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画像説明, 小学校乱射への警察対応について話すテキサス州公共安全局のマクロー局長

米テキサス州ユヴァルディの小学校で起きた銃乱射事件で、警察の対応の遅れに非難の声が高まるなか、州の公共安全局トップが27日、犯人が立てこもる教室に警察が突入しなかったのは「誤った判断」だったと述べた。事件では、子供19人と教師2人が殺害された。

激しいやりとりが続いた27日の記者会見で、テキサス州公共安全局のスティーヴ・マクロー局長は「私が謝ることで何かの役に立つのなら、謝罪します」と述べ、ロッブ小学校の現場に到着していた警官たちが突入しなかったのは、「銃撃が継続している」状態だとは思わなかったからだと話した。

しかし事件の最中、校内からは複数の生徒が繰り返し電話で、警察の助けを求めていた。

マクロー局長は、小学校に警官たちが到着してから、銃撃犯がたてこもっていた教室に突入するまで、40分の間があいていたと認めた。

現場指揮にあたっていた警官が、学校用務員が教室のカギを届けるまで外で待つことにしたのは、そのころには「危険な状態にある子供はもういない」か、「もう誰も生きていない」と判断したからだという。

「今から振り返ってみれば、もちろん正しい判断ではなかった。誤った判断だった。言い訳のしようがない」と局長は述べた。これを受けて、厳しい質問が記者団から相次ぐ中、局長は「悲劇的」な見間違いだったと話した。

事件当時の現場からは、学校前に集まった保護者たちが、待機する警官たちに突入するよう懇願する映像が、次々と明らかになっている。中には、動揺する保護者を警官が取り押さえ手錠をかけるなどする様子も、ソーシャルメディアで拡散している。こうしたことから、警察の現場対応に強い批判と怒りが集まっている。

テキサス州のグレッグ・アボット州知事は27日、事件直後に自分が記者会見した際、警察から誤った情報を提供されていたとして、「激怒している」と述べた。

現場で何があったのか

マクロー局長は事件の経緯について、24日午前11時半ごろに銃撃犯が学校近くで自分の車を溝に突入させた後、「100発以上の弾」を教室内に発砲しながら、校内を歩き回っていたと説明した。

当時現場にいなかった校区担当の警官は、通報を受けて現場に急行したが、「車両の後ろに隠れていた容疑者の真横を通り過ぎた」という。

午前11時35分の時点で銃撃犯はすでに、校内に侵入していた。事件前に教師が開けたドアから入ったという。

校内に入ると銃撃犯は、ひとつの教室に立てこもった。

警官はその数分後に校内に入ったが、廊下にとどまっていた。

マクロー局長によると、銃撃犯が立てこもる教室の外に約19人の警官が集まったが、ただちに中に入ろうとはしなかった。

午後12時51分になって戦術部隊が到着し、教室に突入し、犯人を射殺した。事件発生から約75分が経過していた。

現場の指揮官はユヴァルディの学校区警察トップで、「銃撃が続いている状況ではない」と判断していた。この警官は27日の記者会見には出席していない。

しかし、犯人が教室に立てこもっていた間、警察は少なくとも校内から4件の緊急電話を受理している。その一部は、犯人と同じ教室内にいる子供からで、警察の支援を懇願していた。

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「今すぐ警察を派遣して」 警察を呼び続けた生徒たち

マクロー局長は27日の記者会見で、学校内から警察にかけられた緊急通報(911)の時系列を説明した。

12:03 - 女子生徒が「911」に通報。名乗り、自分は学校の112号室にいるとささやいた

12:10 - 同じ生徒がまた911に電話。複数の死者が出ていると伝えた

12:13 - 同じ生徒が3度目の911通報

12:16 - 同じ生徒がまた911に通報し、生徒が8人か9人生きていると伝えた

12:19 - 111号室から別の人物が911に通報。別の生徒に電話を切るよう言われ、この人物は通話を切った

12:21 - この通話中、3回の銃声が聞こえた

12:36 - 最初の女子生徒からまた911通報があり、受理担当者は電話を切らずに静かにしているよう伝えた。生徒は犯人が教室のドアに発砲したと話した

12:4312:47 - 女子生徒は911の担当者に、「お願い、今すぐ警察を派遣して」と求めている

12:46 - 女子生徒は隣の教室に警察がいるのが聞こえると話した

12:50 - 通話中に銃声が聞こえる

12:51 - 大きい銃声のほかに、警察が子供たちを教室の外に移動させているような音も聞こえる。この時点で、最初に通報した生徒は外に出ていた。通話終了

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事件で死亡した10歳のアレクサンドリア・ルビオさんの曽祖父、ルーベン・マタ・モンテマヨールさんはBBCに対して、警官たちは「臆病者」だと述べた。銃撃が起きている最中に小学校の方へ「歩いていた」警官たちを見たと、モンテマヨールさんは言い、「学校で危険なことが起きているなら、どうして警官は走らなかったんだ」と話した。

射殺された容疑者が、銃弾1657発と銃創60個を所持していたのを警察は確認したという。

Mourners visit a memorial for the victims

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画像説明, 被害者のために作られた慰霊のメモリアルを訪れた人たち