米テキサス州の小学校で乱射 生徒19人と教師2人が死亡

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米テキサス州南部ユヴァルディの小学校で24日昼頃に銃撃事件があり、7歳から10歳の生徒19人と教師2人が死亡した。
同州のグレッグ・アボット州知事によると、現地在住の銃撃犯(18)がロッブ小学校を襲った。知事は、犯人の名前は「サルヴァドル・ラモス」だと発表し、「本人も死亡した。通報に対応した警官たちが殺害したと思われる。警官2人が被弾したものの、重傷ではないとみられている」と述べた。
被害のあった校区のピート・アレドンド警察本部長は、発砲は現地時間午前11時32分ごろに始まったと明らかにした。単独犯だったと警察は考えているという。
AP通信は、事件が始まった時点で近くにいた米国境警備隊の隊員が、学校に駆け付け、バリケードの後ろにいた犯人を射殺したと伝えている。
捜査当局は、犯人が子供たちと教師2人を教室に閉じ込めて殺害したようだとしている。
BBCがアメリカで提携するCBSニュースによると、ラモス容疑者は小学校を襲う前に自分の祖母を殺害した疑いがあると、地元警察は話している。地元報道によると、ユヴァルディの高校に通っていた可能性がある。
CBSによると、容疑者は拳銃のほか、 アサルトライフル銃「AR-15」と大容量弾倉を携行していたという。
人口約1万6000人のユヴァルディは、同州主要都市サンアントニオから約135キロ、西に位置する。現地の統合校区はBBCに対して、ロッブ小学校の生徒数は500人弱で、事件を受けて地元のコミュニティー・センターに避難したと話した。

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現地の複数の病院は、ロッブ小学校の生徒たちが救急の手当てを受けていると明らかにした。
サンアントニオのユニヴァーシティー・ヘルス病院では、66歳の女性と10歳の女の子が重体だという。
ユヴァルディ記念病院はフェイスブックで、生徒13人が「救急車やバス」で病院に運ばれたと書いた。同病院によると、このうち2人が病院に着いた時点で死亡していたという。同病院は25日にも、緊急に献血を呼びかける予定。
現地校区の学校は26日が終業式で今学年を終える予定だった。地元の高校では27日に卒業式が予定されていた。しかし今回の事件を受けて、今学年に残る行事は全て中止された。

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「まるで戦場のように」子供たちが=バイデン氏
事件は、ジョー・バイデン米大統領が韓国と日本の歴訪から帰国中に起きた。大統領はホワイトハウスに到着して直ちに、教師の妻ジルさんと共に国民に向けて演説をし、「自分が大統領になったとき、こんなことをしなくて済むようにと願っていた」と切り出した。
「まただ。またしても虐殺が起きた」とバイデン氏は述べ、「小学校で。美しい、罪のない、2年生、3年生、4年生が犠牲になった。いったい何十人の小さい子供がこの事態を目撃し、とんでもないことに、まるで戦場にいるかのように友達が死ぬのを目にしたのか。子供たちはこの経験を今後一生、抱えていくことになる」と話した。
「いったいいつになったら我々は、銃ロビーに立ち向かうのか。もう、うんざりだ。自分たちがこの殺戮(さつりく)に何もできないなど、言わないでほしい」
「18歳の子供が店に入って、アサルトウェポン(殺傷力の高い攻撃用銃器)を2丁買うことができるなど、ひたすら間違っている」
「こんな乱射事件は、世界のほかの場所ではめったに起きない」
「なぜ我々はこの殺戮を受け入れているのか。どうして同じことが繰り返されるのを、我々は許しているのか。いったい我々の気骨はどこにあるのか」とバイデン氏は述べ、「いい加減、行動するべき時だ。できることはもっとある。もっと対策をとらなくてはならない」と強調した。
バイデン大統領夫妻は今月17日、ニューヨーク州北部バッファローで乱射事件現場となったスーパーを訪れ、被害者や遺族を弔問したばかり。
「銃規制は犯罪を防がない」=共和党議員
一方、同州選出のテッド・クルーズ上院議員(共和党)は、ユヴァルディの事件について「本当に恐ろしい」と述べた上で、銃規制強化はこうした犯罪を防ぐ手段ではないと記者団に述べた。
クルーズ上院議員は、「法を守る市民」の権利を規制したところで、「うまくいかない。効果的ではない。犯罪を防がない」と述べた。その上で議員は、「犯罪者の追及」こそがこうした事件を防ぐ措置だとして、銃規制を呼びかける政治家は「自分たちが掲げる政治テーマを推進しようとしているだけだ」と非難した。
さらに議員は、学校の子供たちを守るには、学校の敷地内で武器を使った警備体制を強化することこそ、最も効果的だという考えを示した。
アメリカの学校乱射、昨年は26件
米教育専門紙EdWeekによると、アメリカでは昨年26件、学校乱射事件が起きている。
小学校から高校まで、アメリカでは銃撃事件に備えた避難訓練が、教育課程の一環に組み込まれている。
2012年にコネチカット州のサンディー・フック小学校で起きた銃撃事件では、20歳の実行犯に生徒・職員が計26人殺害された。そのうち20人は5歳や6歳の幼い生徒だった。
同州選出のクリス・マーフィー上院議員(民主党)は今回の事件を受けて、連邦議会上院で演説し、「いったい我々は何をしているんだ」と同僚議員に強い調子で呼びかけた。
「我々は何のためにここにいるんだ。存亡の危機にかかわるこれほどの問題を解決するために、ここにいるのでないなら。この事態は、避けがたいものではない」と述べ、銃規制の強化に協力するよう「文字通り懇願する」と訴えた。
「この子供たちは運が悪かったわけじゃない。このようなことは、この国でしかおきない。小さい子供たちが、今日学校で撃たれるかもしれないと思いながら学校に行くなど、この国だけだ。しかもそれを、私たちは選んでそうさせている」と、議員は強調した。
銃規制に反対する強力なロビー団体、全米ライフル協会(NRA)は27日に、テキサス州ヒューストンで年次総会を開く予定。
米疾病対策センター(CDC)が今月19日に発表した報告によると、アメリカの子供と10代若者にとって最大の死因が、2020年には銃による暴力が交通事故を上回った。
米連邦捜査局(FBI)は今月16日、国内の乱射事件の件数が2018年と2019年にはそれぞれ30件だったのが、2020年には40件、2021年には61件と、倍増しているとする報告を発表していた。













