米テキサスの小学校乱射事件 その日、何が起きたのか

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メキシコとの国境に近い米テキサス州の学校で起きた銃乱射事件の詳細が、明らかになりつつある。またも学校でこうした事件が起きたことに、アメリカ社会は動揺している。
テキサス州サンアントニオの西約130キロに位置するユヴァルディでは24日、ふだんと変わらない朝を迎えていた。
午前8時ごろ、町の中心部に近いロッブ小学校には、7歳から10歳までの児童約600人が登校していた。
夏休みを前に、最高学年の4年生の多くは、同校での最後の学校生活を楽しんでいた。
一方、町の反対側では、サルヴァドル・ラモス容疑者(18)が、アメリカ史上最悪レベルの銃乱射事件の始まりとなる発砲事件を起こしていた。
容疑者は先週、18歳になったばかりだった。その直後、半自動ライフル銃2丁を購入したとみられている。
孤独で、「問題の多い家庭生活」を送り、言語障害のためにいじめられたとされるラモス容疑者は、祖母を銃撃すると、銃と大量の弾薬を積んだ古いトラックで逃走した。
CBSニュースによると、祖母が発見されたのは、乱射事件の後、捜査のために彼女の家を訪れた警官によってだった。祖母は重体となっている。
車から出てきて発砲
警察によると、容疑者は町内で車を乱暴に走らせ、午前11時半ごろ、ロッブ小学校近くの側溝に車ごと突っ込んだ。近くにいた人たちが近づき、助けようとした。
「困っているだろうと思って、助けようと駆けつけた。すると彼が車から出てきて、発砲し始めた」。その場にいた1人は、スペイン語テレビ局のテレムンドに話した。

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テキサス州公安局のエリック・エストラーダ氏がCNNに語ったところでは、ロッブ小学校で勤務する警官1人と、ユヴァルディ警察当局の警官2人が、容疑者に向けて発砲した。しかし、容疑者を止めることはできず、応援を要請したという。
ソーシャルメディアに投稿された動画には、黒い服を着た人物がライフル銃のようなものを持って、学校の側面ドアに向かって駆けていく様子が映っていた。
容疑者はその後、4年生の教室に押し入ったと、テキサス州公安局のクリス・オリヴァレス広報官はCNNに述べた。
やがて警察が現場に到着。容疑者は教室にバリケードを築き、警察との対決に備えたという。
そしてその場で、子どもたちは「恐ろしく、理解しがたいが、撃ち殺された」。テキサス州のグレッグ・アボット知事は、そう説明した。
この事件の死者21人はのちに全員、この教室で発見されている。
子どもを守ろうとした教員も
発砲が続く中、教員らは子どもたちをカーテンの後ろに誘導した。みんなで身を縮め、とにかく容疑者の気を引かないよう努めたという。
教員の1人、エヴァ・ミレレスさんは、児童を守ろうとして撃たれ、死亡した。
アドルフォ・ヘルナンデスさんは米紙ニューヨーク・タイムズに、乱射があった教室の近くの教室に、おいがいたとし、次のように話した。
「彼は実際に、小さな友だちが顔を撃たれるのを目撃した」、「(友だちは)鼻を撃たれて倒れた。私のおいはショックで打ちのめされた」。
目撃者によると、銃撃が始まると窓をよじ登って外に出て、近くの葬儀場に逃げ込んだ子どもたちもいた。
また、教員2人に先導されて校舎から脱出し、学校裏の木の陰に隠れた子どもたちもいたとされる。
テキサス州公安局は、容疑者との銃撃戦で警官2人が負傷したと明らかにした。

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虐殺事件がようやく終わったのは、午後1時過ぎだった。付近にいた国境警備隊の警官が、容疑者の頭部を撃った。州当局によると、警官らは容疑者を隣の教室へと追い込み、最終的にはその教室に踏み込んだという。
警察によると、容疑者が校内にいたのは1時間ほどだった。
学校ではその後、容疑者が所持していた30発入りの弾倉7個が発見された。
児童たちは、学校から約1.5キロ離れたコミュニティセンターに移動した。センター内には、血まみれの女の子や、けがを負った子どもや教員たち、泣き叫ぶ親などがいたと、米紙ワシントン・ポストはその場にいた人の話として伝えた。
悲しみに暮れる遺族
現場となった学校には、児童の保護者らが続々と駆け付けた。殺害された子どもの家族は、悲痛な叫び声を上げた。
リサ・ガーターさんは、息子のザビエル・ハビエル・ロペスさん(10)の死を悼んだ。
「かわいらしい10歳の小さな少年だった。ただ人生を楽しんでいて、今日こんな悲劇が起こるなんて考えていなかった」
現地テレビ局の記者は、ロペスさんの写真をツイッターに投稿した。
エインジェル・ガーザさんは、娘のアメリさん(10)が死亡したとフェイスブックに投稿した。
「愛するわが子が天使と空に上った。1秒たりとも無駄にしないでください。家族を抱きしめて。愛していると伝えて」
一部の保護者らは、死亡した子どもたちの身元確認のため、DNA鑑定への協力を求められた。












