ロシアの有名オリガルヒ、「大虐殺」と侵攻を非難

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ロシアの新興財閥(オリガルヒ)の1人が19日、ウクライナでロシアが「大虐殺」を行っていると非難し、「狂った戦争」をやめるよう求めた。
ロシアの有名な起業家オレグ・ティンコフ氏。国際オンライン銀行「ティンコフ銀行」を設立し、自転車ロードレースのチーム「ティンコフ=サクソ」のオーナーを務めた。
推定総資産は、ロシアの侵攻前で44億ドル(約5600億円)以上。ただ、米誌フォーブスは先月、銀行株の急落などで10億ドルを切ったと報じた。
同氏は自らについて、ロシア政府やウラジーミル・プーチン大統領と密接な関係にはないと主張している。
警告:気分を害する恐れのある言葉が出てきます
ティンコフ氏は、ののしりの言葉が散りばめられたインスタグラムの投稿で、ロシア人の9割はウクライナでの戦争に反対で、「どの国でもばか者は1割だ」と主張。次のように続けた。
「正気ではないこの戦争には1人の受益者もいない! 罪のない人々や兵士が死んでいる」
「将軍たちは二日酔いの状態で目覚め、自分たちの軍隊はクソみたいだと気がついた」
「国のすべてがクソのようで、縁故主義、へつらい、隷従にまみれている状況で、どうやって軍隊がよくなるというのか?」
さらに、英語に切り替えて、「親愛なる『西側のみなさん』、プーチン氏に面目を保つための明確な出口を与え、この大虐殺を止めてください。もっと理性的、人道的になってください」と書き込んだ。

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ティンコフ氏は、プーチン大統領を大っぴらに非難した有名ロシア人の1人。現在、ロシア国内にはいない。
キプロスに拠点を置くTCSグループ・ホールディングスの株式を約35%保有している。同社は「ティンコフ」のブランドで、銀行、保険、モバイルなどの事業を展開している。
「連続起業家」と呼ばれ、自転車レース、電子機器の輸入、冷凍食品の安売り、ビール醸造、クレジットカード事業などを経て、再び自転車レースに戻っていた。
ティンコフ氏が2006年に設立したティンコフ銀行は、創設者の「個人的意見」についてはコメントしないとする声明を出した。ティンコフ氏は同行の会長を2020年に退いている。
ほかのオリガルヒからも
オリガルヒではティンコフ氏のほか、大富豪の銀行家ミハイル・フリードマン氏とオレグ・デリパスカ氏がそれぞれ和平を呼びかけている。ただ、2人とも直接的な批判をするには至っていない。
フリードマン氏は、個人的な発言は彼自身のみならず、スタッフや同僚にも危険が及ぶ可能性があると述べている。
一方、1990年代にロシア政府で働き、プーチン氏の大統領就任4日後に解任された過去がある実業家ボリス・ミンツ氏は、ティンコフ氏と同じく、プーチン氏を直接批判している。
現在イギリスで暮らし、ロシア政府による訴訟の被告となっているミンツ氏は、「まともな考えをもつ誰もが、このおぞましい戦争とウラジーミル・プーチンの拡大する権威主義に反対の声を上げる義務がある」とBBCに述べ、こう続けた。
「私たち全員が、この凶暴な攻撃で苦しんでいるウクライナ人を支援するためにできることをしなくてはならない。ウクライナ国内にいる人と、国境を越えて難民になった人のどちらに対してもだ」
イギリス政府は、ティンコフ氏ら多くのロシア人について、ロシア政府と密接な関係にあるとして制裁を科している。ミンツ氏は制裁の対象にしていない。







