アメリカとEU、対ロシアの追加制裁を発動へ

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アメリカのジェン・サキ大統領報道官は5日の記者会見で、西側諸国がロシアに対する追加制裁を6日に発表すると明らかにした。
ウクライナに侵攻しているロシアに対しては、同国軍が首都キーウ(キエフ)近郊のブチャで残虐行為をした疑いが浮上し、追加制裁を求める声が高まっている。ブチャ市長は5日夜、ロシア軍によって民間人約320人が殺されたとBBCに語った。
サキ報道官は追加制裁について、ロシアの金融機関や国営企業、政府関係者、オリガルヒ(新興財閥)を標的にしたものになると述べた。
また、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領による「戦争に資金を提供し、支援しているロシアの収奪政治の責任を追及」するものだとした。
プーチン氏の娘2人にも制裁か
追加制裁には、ロシアにおける新規投資の全面禁止も含まれるとみられている。
サキ報道官はそれらの制裁について、「ロシアの国家権力の主要手段を弱体化し、ロシアに深刻かつ即時的な経済的損害を及ぼす」とした。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは5日、ロシア最大の銀行ズベルバンクが制裁の対象になるかもしれないと報じた。
米メディアでは、プーチン大統領の2人の娘も制裁を科される可能性があると伝えられている。サキ氏はこうした報道についてコメントを避けた。
サキ氏は一方で、新たな制裁について、欧州連合(EU)や主要7カ国(G7)と連携して実施され、ロシアの孤立化を進めるものだと説明した。
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欧州委は石炭禁輸の方針
欧州委員会も5日、ロシアに対して幅広い追加制裁を科す方針を示した。
ロシアからの石炭禁輸や、ロシアの国営企業や政府関係者、オリガルヒを対象にした追加制裁などが検討されている。
石炭の禁輸を実施するには、EU加盟の全27カ国が同意する必要がある。EUがロシアからのエネルギー輸入を禁止すれば、初めてとなる。
EUは毎年40億ユーロ(約5400億円)相当の石炭をロシアから購入してきた。
ドイツなどEU加盟国の一部は、ロシアのエネルギーに大きく依存しており、エネルギー業界を制裁対象にすることには消極的だった。しかし、ロシアによる戦争犯罪の証拠が浮上したことで、変化が生じたとみられる。フランスのエマニュエル・マクロン大統領も今週になって、禁輸を求めるようになった。

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EU加盟国はまた、ロシアの銀行4行に「全面的な取引禁止」を課し、ロシアとベラルーシの輸入を禁止する見通しだ。木材、セメント、海産物、酒類など55億ユーロ(約7420億円)相当に上る。
欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は、EU側の港へのロシア船の入港を禁止し、ロシアとベラルーシの陸上運輸の業者を域内から締め出す考えを表明した。
同委員長はロシアについて、ウクライナの民間人に「残酷で冷酷な戦争を仕掛けている」と非難。EUは「この重大な局面でプーチンとロシア政府に最大限の圧力をかけ続ける」必要があると述べた。
これに対し、リトアニアのガブリエリウス・ランズベルギス外相は5日夜、EUの制裁措置案を「弱々しい対応」だと批判。「さらなる残虐行為を招く」と反発した。
同外相はツイッターに、「石炭、4つの銀行、(中略)港や国境での禁止措置(いくつかの例外あり)は、次々と判明している虐殺に対する適切な制裁パッケージとは言えない」と投稿した。










