首都周辺の全域「侵略者から解放」、ゼレンスキー氏は「ロシアによる東部占領」警告

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ウクライナは2日、ロシア軍が首都キーウ(ロシア語でキエフ)周辺から「急速に撤退」し、イルピンやブチャなどを含むキーウ周辺の全域を奪還したと発表した。一方でウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、ロシアがウクライナ東部と南部の地域を占領しようとしていると警告した。
ウクライナ国防省のハンナ・マリャル次官は、「キーウ周辺の全域が侵略者から解放された」と述べた。
BBCはマリャル次官の主張を検証できていないが、ロシア軍はキーウ近郊イルピンやブチャなどの主要な町から撤退しており、ウクライナ軍はここ数日でこれらの地域を奪還している。

ロシア軍はまた、首都近郊のホストメリ空港からも撤退したと伝えられている。戦略的に重要なこの空港周辺では、侵攻開始以来、激しい戦闘が続いた。
空港の格納庫には、かつて世界最大の貨物機として知られた「アントノフ An-225」(通称ムリーヤ)があったが、現地で取材するBBCのジェレミー・ボウエン中東編集長らが、破壊された機体の残骸を確認した。
ウクライナ国営防衛企業ウクロボロンプロムは、機体の再建費用は30億ドル(約3680億円)に上るとしている。


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「ウクライナ東部・南部を占領しようとしている」
ウクライナのゼレンスキー大統領は2日夜のビデオ演説で、ロシアがウクライナ東部と南部の地域を占領しようとしていると警告した。
「ロシア軍の目的は何か? (東部)ドンバスとウクライナ南部の両方を占領することだ」、「我々の目標は何か? 我々自身を守り、我々の自由や我々の土地、この国の人々を守ることだ」と、大統領は強調した。
ゼレンスキー氏はまた、数週間に及ぶロシア軍の激しい砲撃で事実上壊滅した南部マリウポリの港を防衛する、ウクライナ軍を称賛した。
そして、マリウポリやそのほかの都市でのウクライナ人の抵抗が、ウクライナ政府に「貴重な時間を与え」、ロシアの軍事力の弱体化に貢献したとした。
イギリス国防省も、ロシアがこの1週間でウクライナ南東部に対する空からの活動を活発化させていると指摘。ただ、ウクライナ軍は上空での抵抗を強化しており、これがロシア軍地上部隊による同地域の占領を妨げているとしている。
ロシア先月末、キーウおよび北部チェルニヒウの周辺での軍事活動を大幅に縮小し、東部地域に焦点を当てると発表していた。
民間人の避難は

マリウポリからは住民数百人が自家用車で脱出し、同市から数百キロ北にある避難民受け入れセンターに到着した。
赤十字社はバス数十台を使って民間人の避難を試みたが、三度中止を余儀なくされた。避難ルートの途中で一夜を過ごし、3日朝に移動を再開するという。
奪還した町に複数の遺体、ジャーナリストも犠牲に
現地で取材するジャーナリストたちは、キーウ近郊ブチャの路上で少なくとも20人の遺体を発見したという。
司令官の1人は、18歳から60歳の男性がロシア兵に取り押さえられ、処刑されたと述べた。
ブチャのアナトリー・フェドルク町長はAFP通信に対して、280人を集団埋葬したと話した。
ウクライナ当局によると、キーウ郊外の村の近くでは、ウクライナの著名な写真家マクス・レヴィン氏(40)の遺体が見つかった。レヴィン氏の同僚によると、キーウ北部ヴィシュゴロド地区で戦闘の様子を記録していたレヴィン氏は、3月13日から消息不明になっていた。
ウクライナ大統領府秘書室長のアンドリー・イェルマク氏はテレグラムへの投稿で、レヴィン氏の「遺体が4月1日にグタ・メジギルスカ村の近くで発見された」ことを認めた。
レヴィン氏はウクライナのニュースサイト「Lb.ua」に10年以上務めていた。ウクライナでの戦争を記録した彼の写真や動画は世界中に届けられている。BBCをはじめ世界的な通信社や放送局にも写真を提供した。
侵攻が始まって以降、少なくとも8人のジャーナリストの死亡が確認されている。

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(英語記事 Live Page)











