ロシアとベラルーシ選手、北京パラに出場禁止 IPCが前日の決定を一変

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国際パラリンピック委員会(IPC)は3日、北京冬季パラリンピックに、ロシアとベラルーシの選手が出場するのを禁止した。前日には中立的な立場での出場を認めたが、激しい批判を受けて決定を一変させた。
IPCは3日に声明を出し、「選手村の状況」が「持ちこたえられない」状況になったとした。
IPCのアンドリュー・パーソンズ会長は、影響を受けた選手たちを「それぞれの政府の行動の犠牲者」だとした。
また、「私たちはスポーツと政治は混同されるべきではないと強く信じている」、「しかし、大会は悪くないが、戦争が大会にやって来た。舞台裏では多くの政府が、私たちの大切な大会に影響力を行使している」とした。
そして、「選手たちの安全を確保するのが最も大事だ。選手村の状況はエスカレートしており、今や持ちこたえられなくなった」とした。
いったんは出場認める
ロシアによるウクライナ侵攻を受けて、IPCはロシアとベラルーシの選手の出場に関して検討していた。2日には、中立的な立場での出場を認めると発表。両国について、「パラリンピック旗のもとで競技を行い、メダル獲得表には含まれない」とした。
ロシアからは71選手、ベラルーシからは12選手が出場する予定だった。選手のガイドも参加を予定していた。
北京冬季パラリンピックは4日に開会式があり、5日から競技が実施される。
ウクライナのパラリンピック選手団は、すでに北京入りしている。
「最も厳しい処分」
IPCのアンドリュー・パーソンズ会長は2日の記者会見で、今回の措置について、憲章のもとで「可能な範囲で最も厳しい処分」だと説明。
「IPCとパラリンピック運動の関係者は、北京2022冬季パラリンピックを目前に、ロシアとベラルーシ政府がオリンピック休戦に甚だしく違反したことを大変懸念している」と述べた。
また、「IPCとしての対応を決めるうえで、政治的中立を保つため、新たなIPC憲章の枠組みの中で考えることが基本原則だった」としていた。
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「流血と利益を選択」
英デジタル・文化・メディア・スポーツ相のナディーン・ドリス氏は、IPCの当初の決定に「極めて失望している」と述べていた。
また、「すぐさま検討し直すよう求める」とし、「IPCはロシアとベラルーシの選手の出場を禁止し、世界と一緒にこの野蛮な侵攻を非難しなくてはならない」とした。
ウクライナ選手らと、世界のスポーツ界で変化を促進する選手主体の国際団体グローバル・アスリートは、2日の発表を受けて共同声明を発表。IPCについて、ウクライナのすべてのアスリートと市民に「新たな一撃」を加えたとした。
同声明は、「アスリートの要望よりロシアの利益が優先されている」、「スポーツ管理側は、原則や関係者ではなく、流血と利益を選んでいる」とした。
アメリカとイギリスのパラリンピック委員会も、IPCの当初の決定に対して失望をあらわにしていた。
英パラリンピック委員会は、「ウクライナの人道危機の深刻さを考えれば、ロシアやベラルーシの大会参加とパラリンピック運動の目的がどう両立するのかわからないと、私たちは多くのパラリンピック参加国と同様に、すでに表明している」とした。
「パラ選手は侵略者ではない」
2018年パラリンピックでは、ロシア選手は国家ぐるみのドーピング違反を受けて、中立のパラリンピック旗のもとで出場した。
IPCは2日、ロシアとベラルーシでは「新たな通知をするまで」今後の大会を開かない方針も明らかにした。
また、オリンピック休戦の順守をIPC加盟の条件にするか、年内に投票を実施する考えも表明した。あわせて、ロシアとベラルーシのパラリンピック委員会を除名するかも決める予定だとした。
IPCのパーソンズ会長は同日、「これらのパラリンピック選手たちは、それぞれの政府と違い、侵略者ではない。他の人と同様、スポーツ大会で競技するために、ここにいるのだ」と話した。
IPCに対しては、ウクライナのアスリートたち、国際パラリンピック委員会(IOC)、英オリンピック委員会などが、ロシアを北京冬季パラリンピックに参加させないよう求めていた。







