バイデン米大統領、初の一般教書演説 プーチン氏は大きく誤算と

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アメリカのジョー・バイデン大統領は1日、初の一般教書演説を連邦議会で行った。ウクライナ侵攻を実行したロシアのウラジーミル・プーチン大統領について、西側の対応について判断を大きく誤ったと述べ、「これからどうなるのか、彼はまったく分かっていない」と、プーチン氏に警告した。
バイデン氏は演説で、アメリカの空域をロシアの航空機が通過するのを禁止すると表明した。同様の措置はすでに、カナダや欧州各国が実施している。
バイデン氏の演説は、テレビの夜のゴールデンタイムに約1時間にわたってテレビ放送された。同氏は、「自由は独裁に常に勝つという確固たる決意」を示すと誓った。
連邦議会議事堂の議場で民主、共和両党の与野党議員らは、ウクライナへの支援を表明しようというバイデン氏の呼びかけを受け、そろって起立し拍手を送った。配られていたウクライナ国旗を振る議員も多かった。ウクライナの国花とも言われ、今回の戦争ではウクライナ人の愛国と抵抗のシンボルにもなっている、ひまわりをあしらったブローチや飾りをつけている女性出席者も複数いた。
アメリカでは現在、新型コロナウイルスのパンデミック疲れが見られ、インフレも加速している。議会は党派の深い溝ができており、これ以外の話題で超党派で大統領に拍手する場面はわずかだったが、バイデン氏が警察組織の強化を呼び掛けると、野党共和党からも大きな拍手が上がった。
「プーチンは間違っていた」
バイデン氏は演説で、「プーチンの戦争は計画的なもので、挑発を受けたものではなかった。彼は度重なる外交努力を拒否した」と述べた。
また、「(プーチン氏は)西側とNATO(北大西洋条約機構)は、対応しないと考えていた。ここ地元で、私たちを分断できると考えた」と主張。
「プーチンは間違っていた。私たちは準備万端だった」とした。
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アメリカと同盟国は、ロシアの経済・金融システムおよびプーチン氏に対して、数々の制裁を発動している。
バイデン氏は演説原稿から離れ、追加の経済報復措置を実施すると強調。「これからどうなるのか、彼はまったく分かっていない」と、プーチン氏に警告した。
大統領の妻ジル・バイデン氏に並ぶ来賓席には、ウクライナのオクサナ・マルカロワ駐米大使の姿があった。大統領は大使を歓迎し、議場からは総立ちの拍手が送られた。
バイデン氏は演説の数時間前、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領と電話協議し、アメリカの支援について話し合った。
コロナやインフレの内政問題
バイデン氏に対するアメリカ国民の支持は低下傾向にある。リアルクリアポリティクスの調査では、支持率は40.6%となっている。
この日の演説では、ウクライナ侵攻という外交問題に続いて、新型ウイルスのパンデミック、物価の急上昇、暴力犯罪の多発といった国内問題への対処方針を示した。

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アメリカの失業率は4%の低水準にあるが、インフレ率は過去40年で最大となっている。
バイデン氏は、労働者世帯の経済苦への共感を示すことに努め、「分かっている」と述べた。そして、「よりよいアメリカをつくる」ための計画づくりを約束した。
消費者物価の急上昇については、自動車と半導体の製造を増やし、道路と橋を作り直すことが一番の対策だとした。
世論調査は、バイデン政権のパンデミック対策にも国民が不満を抱いていることを示している。
ただ、この日の議場では、議員らはマスク着用を数カ月ぶりに義務付けられなかった。
バイデン氏は、「去年はCOVID-19が私たちを引き裂いた。今年はやっとまた一緒になった」
アメリカでは現在も、世界最多の連日2000人以上が新型ウイルスで死亡している。
凶悪犯罪対策
アメリカ国内の殺人事件の発生率は、過去25年で最悪となっている。
バイデン氏は、警察予算の削減を求める意見に反対を唱えた。そうした意見は、自身が属する民主党からも多数出ている。
「警察予算の削減が答えではない」、「予算をつけることが答えだ」とバイデン氏は訴えた。
これには野党・共和党議員たちも多く立ち上がり、拍手した。
バイデン氏の演説に続き、アイオワ州のキム・レノルズ知事が、野党・共和党としての反論演説をした。
レノルズ氏は、バイデン政権のせいでアメリカは1970年代後半に逆戻りしたと主張。「急激なインフレが家庭を直撃し、暴力犯罪が街を壊し、ソヴィエト軍が世界地図を書き換えようとしていた時期に、戻ってしまった」と述べた。








