ジョコヴィッチ選手の身柄拘束、ビザまた取り消しで 豪政府

画像提供, Reuters
オーストラリア政府は15日朝、テニスの全豪オープン出場のため現地入りしている男子テニスのノヴァク・ジョコヴィッチ選手(34)の身柄を拘束した。
メルボルンの連邦地裁とオンラインで公判前手続きを終えた後、選手の弁護団は、移民当局がジョコヴィッチ選手の身柄を拘束したことを確認した。
連邦地裁のデイヴィッド・オキャラハン判事は、弁護団による強制送還の差し止め請求の審理は、16日午前9時半から開始すると決定した。
全豪オープンは17日に開幕する。
豪政府は14日夕、選手の査証(ビザ)を再び取り消した上で身柄を拘束する方針を示していた。アレックス・ホーク移民担当相は14日夕に声明で、「私は今日、権限を行使し(中略)ノヴァク・ジョコヴィッチ氏が保有するビザを、保健衛生と良好な秩序のために取り消した。そうすることが公共の利益にかなうと判断した」と述べた。
この決定により、ジョコヴィッチ選手は3年間、オーストラリアのビザを新たに取得することが禁止される可能性が高い。
弁護団は豪政府の決定を「不合理」だと批判し、ホーク移民相の決定の根拠は「無効」だと主張している。
ジョコヴィッチ選手は新型コロナウイルスのワクチン未接種のまま、同国にとどまる権利があると主張している。今月6日に入管当局によっていったんビザを取り消されたが、その後、メルボルンの裁判所は10日に政府の決定を覆し、入国を認めていた。
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「オーストラリア国民は多くの犠牲を」
ビザの再度取り消し決定の発表後、スコット・モリソン首相は、「慎重に考慮した結果として、ジョコヴィッチのビザが保健衛生と良好な秩序のために取り消されたと理解している」と述べた。
新型コロナウイルスのワクチン未接種のジョコヴィッチ選手の入国を認めたことで、多くの国民が豪政府を強く批判している。こうした状況で首相は、「オーストラリア国民はパンデミックの間、多くの犠牲を払ってきた。それらの犠牲の代償を守る決定を、国民が期待するのはもっともだ。移民担当大臣は今日、今回の決定で、まさにそれを実現した」と述べた。
一方、セルビアのアレクサンダル・ヴチッチ大統領は豪政府の決定を批判。インスタグラムで「ノヴァク、私たちは君を応援している」と書き、「ノヴァク・ジョコヴィッチがメルボルンで10回目の優勝を果たすのを阻止したかったのなら、なぜただちに送還しなかったのか。なぜ『ビザの取得は不可能だ』と伝えなかったのか」と問いただした。
「なぜ彼を粗末に扱っているのか。なぜ本人だけでなく、彼の家族やセルビア全体に八つ当たりしているのか」と、ヴチッチ大統領は続けた。
反ワクチン派は選手を応援
ジョコヴィッチ選手を担当するニコラス・ウッド弁護士は、政府が選手のビザを再度取り消したのは、選手が公衆にとって危険だからではなく、「選手が反ワクチン感情をかきたてるからだ」と政府を批判した。
ジョコヴィッチ選手はワクチン未接種だが、反ワクチンの誤情報を積極的に広めたことはない。ただし、オーストラリアの反ワクチン派はソーシャルメディアで、「#IStandWithDjokovic(ジョコヴィッチを応援する)」というハッシュタグを使用している。
ウッド弁護士はさらに、選手が2020年にワクチンに反対する発言をしたのを理由に、移民担当相が「世間に評価される立派な人物」をオーストラリアから取り除き、テニス選手としての今後のキャリアを「損なおう」としていると批判した。
ジョコヴィッチ選手は全豪オープン男子シングルスで、最多9回の優勝をしている。今大会を制すれば、4大大会(グランドスラム)のタイトル獲得が通算21回になり、男子選手としての最多記録を樹立する。
13日に発表された男子シングルスの組み合わせ表では、第1シードとなっている。









