北朝鮮で軍事パレード 防護服にガスマスクの一団が行進

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北朝鮮は9日未明、建国73年を記念する軍事パレードを開催した。主だった弾道ミサイルは登場しなかった。
国営メディアが夜間に撮影した写真では、兵士と労働者たちが防護服を着て行進した様子がわかる。
金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記は、やせたように見える。腕に抱きついた子どもたちと一緒に、マスクを着けていない人々を率いて歩いた。
北朝鮮は昨今、新型コロナウイルス感染症COVID-19のパンデミックの影響で、食料不足と深刻な経済危機に見舞われている。
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国営メディアは、軍事パレードで消防車やトラクターが並び、花火が打ち上げられた写真なども公表した。
パレードの一部では、明るい赤色の防護服とガスマスクとみられるものを着用した人々が行進した。COVID-19の拡大防止のために特別部隊が作られたことを示している可能性があると、BBCのローラ・ビッカー・ソウル特派員は伝えた。
同特派員はまた、北朝鮮政府が新型ウイルス感染者はゼロだとする一方で、感染拡大との闘いは続けていることを国民に示そうとしている可能性もあると説明した。
さらに、今回のパレードはこの1年で3回目で、異例の多さだと指摘。ワクチン接種が実施されていない国で、国民がマスクをしないで大規模な集会に参加するのは危険だが、金氏はそのリスクに価する何かが今回のパレードにあると考えたのだろうと解説した。
中国が祝電
中国国営メディアによると、習近平国家主席は金氏に祝電を送った。
中国は北朝鮮にとって、政治的、経済的に最も強力な同盟国となっている。北朝鮮は食料と肥料、燃料を中国に頼っている。
だが両国の交易は、COVID-19の影響で北朝鮮が昨年1月に国境を封鎖して以来、急激に減っている。これとは別に北朝鮮は、中国が提供を申し出たワクチン300万回分を断った。

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世界保健機関(WHO)によると、8月19日時点で、北朝鮮はCOVID-19の患者は1人も見つかっていないとしていた。ただ、これは非現実的と見る向きもある。
WHOの週ごとの状況報告では、3万7291人がウイルス検査を受け、全員陰性と判明したとされる。検査対象には、医療従事者やインフルエンザに似た症状が出ている人も含まれていたという。
一方で金氏は、北朝鮮が食料不足に直面していると認めている。支援団体からは、国民が飢え死にし始めており、経済も崩壊寸前だとする報告が出ている。
こうした状況で、核開発計画は進められている。国連の国際原子力機関(IAEA)は先月、北朝鮮が核兵器用のプルトニウムを作り出せる原子炉を、再稼働させたとみられると発表。「深く憂慮すべき」動きだとした。






