金正恩氏、北朝鮮の「厳しい」食糧事情認める

Kim Jong-un speaks during the opening of the 3rd Plenary Meeting of the 8th Central Committee of the Workers" Party of Korea

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画像説明, 金正恩・朝鮮労働党総書記

北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党総書記は、同国が食糧難に直面していることを認める発言を行った。

15日の労働党中央委員会で金総書記は、「人民の食糧状況は今、厳しくなりつつある」と述べた。

また、昨年は台風の影響で洪水が多発したため、農業セクターが穀物の生産目標を達成できなかったと話した。

北朝鮮では食品の値上がりが報じられており、NKニュースによると、バナナ1キロが45ドル(約5000円)になっているという。

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同国は現在、新型コロナウイルスの流行を防ぐために国境を封鎖しており、中国との貿易が滞っている。北朝鮮は中国に、食糧や肥料、燃料などで依存している。

また、核開発を進めていることから、国際的な制裁の対象にもなっており、経済難が続いている。

一方、中央委員会で金総書記は、国内の工業生産が昨年の同時期に比べて4分の1ほど増加したと述べた。

金氏は4月、党の末端組織責任者会議で、苦難に備えるよう呼びかける異例の発言をした。その中で、政府関係者に対し、「人民の苦労を少しでも減らすため」に「またしても、さらに厳しい『苦難の行軍』を実行する」よう求めた。

「苦難の行軍」とは1996年に、当時の飢饉(ききん)と経済的苦境を乗り越えようと呼びかけるために朝鮮労働党が使ったスローガン。1990年代にはソヴィエト連邦崩壊に伴い北朝鮮への援助が滞ったことから大飢饉が発生し、最大約300万人が死亡したと推定されている。