パレスチナ武装派組織の元幹部ら6人、イスラエルの刑務所から脱獄 独房の床に穴

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イスラエルのギルボア刑務所で6日、パレスチナ人受刑者6人が脱獄し、イスラエル当局が捜索を開始した。ギルボア刑務所は同国内で最も厳重な警備が敷かれる刑務所の1つ。
受刑者の男たちは独房の床に穴を掘り、刑務所の下にあった空洞を通り、刑務所の外壁下までトンネルを掘り進めたとみられる。
当局には、男たちとみられる人物を目撃したとの通報が農家から寄せられていた。
脱獄犯の中には、ヨルダン川西岸ジェニン市の武装派組織「アル・アクサ殉教者旅団」(AAMB)のザカリア・ズベイディ元司令官や、イスラム聖戦のメンバー5人が含まれる。
イスラエルのメディアによると、イスラム聖戦の4人は複数のイスラエル人犠牲者を出した攻撃を計画または実行した罪で有罪となり、終身刑となっていた。もう1人のメンバーは、行政命令により2年間収監されていた。
ズベイディ元司令官は2019年に多数の銃撃事件に関与した疑いで、イスラエル軍に逮捕された。現在も法廷で係争中。

イスラエルの収監当局の関係者は、今回の脱獄は「警備と情報収集の大失態」だとした。一方、パレスチナの武装派グループは「英雄的」行為だと称賛。「イスラエルの防衛システムに衝撃を与える」だろうとした。
パレスチナのイスラム組織ハマスのスポークスマン、ファウジ・バルフーム氏は、「敵陣の刑務所内にいる我々の勇敢な兵士たちの意志と決意を打ち負かすことはできない」ことを証明する「大勝利」だと述べた。
警備が厳重な「金庫」
イスラエル紙ハアレツの記者は、ギルボア刑務所の独房の床に穴があけられているのがわかる動画をツイートした。

イスラエル北部にあるギルボア刑務所は厳重な警備で知られ、「金庫」とも呼ばれる。
地元の農家から、刑務所近くの農地で「不審な人影」を目撃したとの通報が寄せられ、刑務所スタッフが6日午前4時頃に受刑者の人数を確認。6人が行方不明になっていることがわかった。
6人は共同生活を送っていた独房のトイレの床に穴を掘って逃げ出したとみられる。地元紙エルサレム・ポストは、さびたスプーンをポスターの裏に隠し、穴掘りに使ったと報じた。

画像提供, Israel Prison Service handout via Reuters
独房の穴は、刑務所の下の空洞につながっていた。この空洞は刑務所の建設時に杭を打ち込んだ際にできたものだという。イスラエル警察の署長は「構造上の欠陥」だと述べた。
逃走した6人は、この空洞を伝って刑務所の外壁まで移動し、トンネルを掘って刑務所外の舗装されていない道路の真ん中から外へ出たとみられる。
イスラエルの治安組織「シンベト」は、6人が密かに入手した携帯電話を使って刑務所の外にいる人間と連絡を取り、迎えの車に乗り込んだようだと発表した。

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6人を追跡するイスラエルの国境警察と陸軍部隊は、ギルボア刑務所の東約14キロに位置するヨルダン川西岸やヨルダンに男たちが到達できないよう、道路を封鎖したと報じられている。
イスラエルのナフタリ・ベネット首相はオメル・バーレフ公安相と協議し、今回の脱獄は脱獄犯を見つけるために「治安部隊の全面的な取り組みを必要とする、重大事件だと強調」したという。









